夢幻水滸伝
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第七十七話 筑後騒乱その四
「それで九州の東は私で」
「西は私ですね」
「それでいいたいな、ただし琉球は貰うたい」
美鈴はこの国もと述べた。
「いいたいな」
「それでは」
「それからとよ」
「再びですね」
「九州賭けた戦するばってん」
「そうしましょう、まあこの話は薩摩からしてみればあれですね」
「取らぬ狸の何とやらたい」
自分からだ、美鈴はこう言った。
「それたい」
「そうですね」
「けれどこうした話はあらかじめて決めておくものたい」
「共に敵と戦うのなら」
「勝った場合その後で揉める元になるたい」
敵の領地の分割をどうするかということはというのだ。
「それでたい」
「今の時点で、ですね」
「やっておくものたい」
「それでは」
「これでいくたい」
九州の東と琉球は美鈴が、西は雪路がそれぞれ分割することをというのだ。
「いいたいな」
「星の人もですね」
「そうたい、西と東でたい」
北原達もというのだ。
「分けるとよ」
「それでは」
「さて、この話を決めたからにはたい」
「後はですね」
「戦の用意をするたい、軍勢は久留米に集めるたい」
筑後のこの場所にというのだ。
「あそこの城にたい」
「そうしてですね」
「あの城を拠点として北上してくる敵と戦うたい」
「敵は熊本城から来ますね」
雪路は頭の中で敵の動きを考えて言った。
「島伝いにも来るでしょうが」
「天草はまだたいな」
「こちらが勢力に収めています」
その辺りはとだ、雪路は美鈴に答えた。
「島原も」
「そっちも水軍持っているたいな」
「琉球の水軍と比べると弱いですが」
「それでもたいな」
「天草や島原、それに長崎を守る位は」
その程度はというのだ。
「出来ます」
「そうたいか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「そちらはご安心を」
「ではその辺りは睨み合いたいな」
「そしてそれはですね」
「私等にとってもいいことたい」
海や島でそうなることはとだ、美鈴も答えた。
「とりあえず薩摩がこれまでそっちとことを構えてないことはよかったとよ」
「敵を絞ってのことでしょうが」
「お陰で天草とか無傷とよ」
「甑島や長島、獅子島はです」
この辺りはというのだった。
「薩摩の方ですが」
「そこはいいたい、今は天草と長崎、島原たい」
そうした場所をというのだ。
「守っておくとよ」
「そしてですね」
「筑後で戦たい」
まさにこの国でというのだ。
「敵はさっき話した通り熊本城を拠点として来るたい」
「そこから大牟田に入り」
「柳川まで来るたい、だから」
「柳川で、ですね」
「あの川から北に行かせんたい」
これが美鈴の考えだった。
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