山奥の一家
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第四章
「じゃあな」
「またな」
二人で話してだ、そしてだった。
実際に家を出ようとするが老婆はその二人に言ってきた。
「まだ朝早いから」
「だからか」
「それでか」
「もう少しいてもいいんじゃないかい?朝ご飯位食べてね」
そうしてというのだ。
「そうしたらどうだい?」
「そう言ってくれるか」
「朝飯までご馳走してくれるか」
「どうせだからね」
一泊したならとだ、老婆は二人ににこやかに笑って誘いをかけた。
「どうだい?」
「そうじゃのう、そう言ってくれるならな」
「朝飯も頂くわ」
「それじゃあね」
老婆は二人の言葉を受けてだ、そしてだった。
娘にだ、こう言った。
「朝ご飯のジャガイモをね」
「持って来るね」
「そうしてくれるかい?」
「うん、今からね」
「ただ。ジャガイモの量が多いからねえ」
「ならじゃ」
「わし等も手伝うわ」
二人はこれを機会と見て老婆に申し出た。
「多いならな」
「そうするわ」
「けれどお客さんだからね」
老婆は申し訳なさそうに応える、だが。
断る素振りはない、二人もそれはわかった。老人は今はテーブルに座って一人静かにコーヒーを飲んでいるだけだ。
実際にだ、二人がさらに言うとだった。老婆はこう言った。
「ならね」
「よし、ほなな」
「今から納屋に案内してくれるか」
「うん、そうさせてもらうね」
娘も応えてだ、そしてだった。
二人は娘に納屋に案内してもらった、二人は場所を知らないふりをして案内された、そしてだった。
娘は二人を納屋に入れるとだ、急に。
扉を閉めた、井伏は開けようとすると外側かわ鍵がかけられていた。井伏はそれを確認して山本に言った。
「娘もかのう」
「ああ、一家全員かも知れんな」
山本も井伏の言葉に応えた。
「ほんまに」
「そうじゃな」
「それでじゃ、納屋に閉じ込められた」
「それで終わりか」
「その筈がないわ」
「ここからじゃな」
「絶対何か来る」
山本は鋭い目になり述べた。
「仕掛けでもモンスターでもな」
「あの婆さんが来るかのう」
「そうかも知れんのう、ではな」
「ああ、何が出てきてもな」
「倒してくぞ」
「承知じゃ」
まさにとだ、井伏も応えた。そしてだった。
山本と共に身構えた、すると納屋の窓の上が開いてだった。
そこから数匹何かが煎れられた、それは蛇の尾を持つ鶏達だった。井伏はその異形の鶏達を見て言った。
ページ上へ戻る