夢幻水滸伝
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第七十六話 引き分けの後でその十三
正門とその周りを瞬く間に壊した、その正門をだった。
二人は橋を渡り切って乗り越えた、壊れた門や櫓、壁は地震に遭ったかの様に無残に崩れそこにいた兵達もうずもれていた。
北原は門を乗り越えたところで後に続く兵達そして自身の隣にいる又吉に言った。
「先に進むでごわすよ」
「このままですね」
「そして壊れた場所にうずもれている敵兵達を助ける兵ば置いておくでごわす」
北原はこのことも忘れていなかった。
「いいでごわすな」
「敵兵もですか」
「助けていきますか」
「そうしつつ進みますか」
「壊したものの中にいるモンは敵でもでごわす」
例えそうであってもというのだ。
「助けるのが人の道でごわすよ」
「ううむ、見事です」
「攻める中でも命ば見てるとは」
「流石棟梁でごわす」
「それで捕虜にするでごわすが」
これは戦だからだ、戦の時は敵兵は助けられた場合も捕虜となる。北原が起きた世界でも常識のことだ。
「しかしでごわす」
「戦えんなら」
「それならば」
「助けていくでごわす」
「そうあるべきですね」
又吉も北原のその考えに頷いて同意した。
「やはりです」
「人はでごわすな」
「人の道を外れてはなりません」
例え戦の場でもというのだ。
「ですから」
「ここはでごわすな」
「はい、壊れた建物の下敷きになっているモンは」
「術とかを使って建物ばどけてでごわす」
超能力の念動等で出来るのだ、天狗等最初から念動力を使える種族がいればそれは尚更容易になる。
「そうしてでごわす」
「助けていきますね」
「そうしておいどん達は」
「先に行きますか」
「そうしていくでごわす」
こう言ってだ、北原は壊れた建物の中にいる敵兵達の救助も行わせつつそのうえでだった。又吉と共に進み。
行く先にある門も櫓も全て壊して突き進んでいった、その勢いは止まらず遂にだった。
本丸の門を叩き壊しその中に入った、すると。
壊れた門の向こうに純奈がいた、純奈は二人を見据えて言った。
「見事と言っておくばい」
「そうでごわすか」
「まさかこんな攻め方で来るとは」
「思っていなかったでごわすな」
「その通り、しかし星のモンの力ば使えば」
それでとだ、純奈は北原に述べた。
「それも出来る」
「しかも二人ならばでごわすよ」
「より出来る、星のモンには星のモンしか太刀打ち出来ん」
この世界では最早常識になっていることだ、元々絶大な力を持っているうえに神具まで使える彼等にはこの世界に元々いる者達は太刀打ち出来ないのだ。星の者達一人で一軍に匹敵するとまで言われている。
「それが例え城であっても」
「そして実際にでごわす」
「熊本城を僅か一日でここまで来たばいな」
「そうでごわすな、では」
「ここから先は通さないばい」
純奈は北原に意を決した顔で告げた。
「何があろうとも」
「ではでごわすな」
「二人同時にかかってくるばい」
「それはしないでごわす」
北原は純奈に毅然とした声で応えた。
「こうした時は一騎打ちでごわす」
「そうですね、では僕はですね」
「見届け人になってもらうでごわす」
北原は又吉にはこう言った。
「お願いするでごわす」
「わかりました」
又吉も頷いた、こうしてだった。
二人で一騎打ちに入った、北原と純奈は一騎打ちに入ったが。
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