夢幻水滸伝
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第七十六話 引き分けの後でその三
「巨人といいましても」
「種類が多いでごわすな」
「はい、あの巨人は琉球や南洋でよく出るそうです」
「海だからでごわすな」
「どうやら。しかしです」
「巨人はあれだけではないでごわす」
「普通の巨人や炎巨人、霜巨人、雷巨人もいれば」
又吉はそうした巨人達の種類を挙げていった。
「他にもいます」
「毒巨人もいてでごわすな」
「石巨人もいます」
全身が石で出来た巨人である。
「鉄巨人もいます」
「まさに色々でごわすな」
「はい、ただ他にもいるかも知れないです」
「巨人については」
「一体何種類いるのか、そしていつもいきなり出てきますが」
「何処に住んでいて何処から出て来るのか」
「全くわかりません」
そうしたこともというのだ。
「それも全く」
「だからでごわすな」
「我々は気をつけねばなりません、そして僕が思うことですが」
「この世界の危機はでごわすな」
「彼等ではないか」
巨人達がというのだ。
「世界を破壊する者達で」
「おいどん達はその巨人達から世界を救う」
「そうも考えていますが」
「そうかも知れんでごわすな」
北原は又吉のその考えを否定せずに述べた。
「あの巨体でいきなり出て来て暴れ回る」
「それではですね」
「その可能性もあるでごわす」
北原もこう言うのだった。
「今回のことを見ても思うでごわす」
「棟梁もですね、しかし」
「このことはでごわすな」
「確かなことはわかっていません」
それはというのだ。
「あくまで僕の予想でして」
「確かなことはでごわすな」
「何も言えません」
「証拠がないでごわす」
「そうです、ですから憶測です」
それに過ぎないというのだ。
「あくまで僕の」
「それではでごわす」
「はい、これからです」
「わかることでごわす」
「左様です、しかし」
それでもとだ、又吉はまた言った。
「今回は彼等が出て来た為に」
「戦も中断してでごわす」
「仕切り直しとなりましたね」
「今福岡は豊前の水害を治めているでごわす」
「大雨で川の堤が決壊したとか」
「それで、でごわす。今はそちらにかかっているでごわす」
「では日向には当分来ないですね」
又吉もこのことはわかった。
「では」
「おいどん達はまずは日向をでごわす」
「統一して」
「そしてでごわす」
そこからさらにというのだ。
「ことを進めていくでごわす」
「日向の次ですね」
「いよいよ肥後でごわす」
日向を治めたならというのだ。
「そうなるでごわす」
「左様ですね、では」
「日向を統一するでごわす」
あらためてだ、北原はこのことを宣言した。
「そして日向と薩摩からでごわす」
「肥後を攻めて」
「そしてでごわす」
「熊本城も攻め落とし」
「こうして九州の南を完全に掌握してでごわす」
そこに琉球も加えてだ。
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