憑依先が朱菜ちゃんだった件
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第13話
前書き
おはこんばんにちは、そして1年1ヶ月振りです。沙羅双樹です。
既に放送開始から2ヶ月経ってますが、転スラのアニメが始まりましたね。
そして、Google Playからゲームも開始!私もプレイヤー名:大筒木朱菜でやってます。(笑)
さて、それではまず投稿までに1年近くの時間が掛かった言い訳をします。
仕事先のスタッフが減って忙しくなったのも理由の一つなんですが、最大の理由はぶっちゃけると他の小説を書いていたからです(笑)
どんな小説かと言えば、ありふれた職業で世界最強×魔法少女特殊戦あすか×憑依したら朱菜ちゃんだった件の三重クロス作品です。
内容はありふれに嵌まっていたのでありふれをベースにしていて、Web版ベースのハジメくんが特殊戦世界と融合した平行世界の過去の自分に憑依、ディストニア戦争後にトータスに召喚されるという内容です(笑)
しかも、召喚されたトータスには魔国連邦建国から1000年後のリムル達も召喚されてしまったという、ハチャメチャな内容(´▽`)
そんな作品を10話まで書いていたため、憑シュナを書く暇がありませんでした(´▽`)
まぁ、ありふれの執筆が行き詰まって書く余裕ができたので、暫くは憑シュナを書き進めていこうかと思ってます。(笑)
では、言い訳もこの辺にしてとうぞ本編をお楽しみください!
【視点:紅丸】
先行するリムル様と朱菜を追って湿地帯へと辿り着いた俺達が最初に見た光景は豚頭族の軍勢に囲まれた蜥蜴人族・子鬼族混成部隊の姿だった。
恐らく、俺だけでなく親父や紫呉、同僚である右近衛大将のリグル殿も「何をどうすれば、こんな絶体絶命な状況になる?」と思ったことだろう。
余りにも酷過ぎる状態に夏官長・大司馬である親父も一瞬だけ呆けていたが、すぐに正気に戻り俺達に指示を出した。
指示の内容は、リグル殿が率いる大鬼騎兵部隊が混成部隊を救出する為に正面から突撃し、俺達が率いる妖鬼部隊が豚頭族の後方部隊を強襲するというものだった。
後方部隊への強襲の第一撃は俺と親父が同時に放った煉獄業火だ。大鬼騎兵部隊の突撃で豚頭族共が混乱していたこともあり、この一撃で一気に400~500以上は屠れただろう。
その後、他の妖鬼達も黒炎獄を放ち、1人辺り数十単位の豚頭族を屠っていく。
「な、何だ?何が起こった!?」
「!?今の大魔法は貴様らが放ったものか!!?」
俺達を目視した豚頭族が何とも間抜けな問いを口にする。
「貴様らには同族を焼き殺す趣味でもあるのか?この後方には我らと貴様らしか居らんのだから答など分かり切っているだろう」
親父はそう告げると同時に豚頭族へと煉獄業火を放った。当然、俺も親父と同時に煉獄業火を放ち、他の妖鬼達も黒炎獄の2発目を放つ。
「先のと合わせて数千の豚頭族は屠れたか。これだけ屠れば貴様らの犠牲となった37の同胞の無念も晴れたであろう」
「その角……。貴様ら、大鬼族だな!?」
内包する魔素の量が圧倒的に違うのにも拘らず、俺達の事を大鬼族と勘違いしている豚頭族に対して、俺を否定の言葉を返す。
「いいや、俺達は大鬼族ではない。大鬼族を凌駕した鬼だ」
「我らとしても無駄な殺生は避けたい。先程までの攻撃で貴様らの犠牲となった同胞の件も水に流してやる。故に早々にこの場から立ち去り、元いた場所へと帰れ。
それとも丸焼きにされるのが好みか?ミディアム、ミディアムウェル、ウェル、ウェルダン、ヴェリーウェルダン。ゴブイチ殿の様な料理人ではないが極力希望通りの焼き加減で焼いてや―――あっ」
親父が脅しも兼ねて右手に煉獄業火を発生させながら焼き加減を言っていると、黒雷を纏った竜巻が発生し、数百単位の豚頭族が屠られた。
上空で普通に飛行しているリムル様と朱菜から考えると、黒雷と竜巻の原因は宝貝・天騒翼の起風発雷ではなく、ランガの攻撃系技能といった所だろう。
「俺達が言える立場でもないが、ランガも派手にやってるな」
「ああ。私としては無駄な殺生は避けたかったのだが………」
「大方、どっかの馬鹿がランガの前でリムル様を馬鹿にしたんだろう。俺達もリムル様と朱菜を馬鹿にされたら同じ様な行動を取っていただろう?」
「………それもそうだな」
俺と親父がそんな会話をしていると、薙ぎ払う様に鎖分銅が飛んできた。当然のことだが、俺と親父はその攻撃を余裕で回避する。
「数多の同胞を殺しただけでなく、敵前でよそ見と会話をするとは……。貴様ら、楽に死ねると思うな!」
鎖帷子を身に纏い、鎖鎌を持った豚頭族はそう叫ぶや否や、鎖鎌の鎖分銅を使って俺に攻撃を仕掛けてきた。
豚頭族の割には鎖分銅を器用に操って攻撃して来ているが、ぶっちゃけ鋼金暗器を使う朱菜より攻撃速度が遅い上、精度も低い。
朱菜の場合、鎌の方で攻撃してくるだけでなく、手足の延長みたいに鎖鎌を操り、速度もこの豚頭族の10倍以上の速さだからな。
この豚頭族程度の使い手なら目を瞑っていても空気の振動だけで攻撃を避けられる自信がある。まぁ、1対1の決闘でもないこの場で目を瞑るなんて馬鹿な真似はしないけどな。
「そらそら、どうした!?俺の攻撃を避けるのに必死でさっきの大魔法を使う余裕も無いのか!!?」
……凄く腹立たしい勘違いをしてやがるな、この豚。いや、豚共というべきか?遠巻きに俺達を見ている他の豚もニヤニヤしてやがる。
「これで終わりだッ!」
豚がそう叫びながら放ってきた鎖分銅を俺は右手で難なく受け止めた。
「なっ!?」
「豚風情が何を勘違いしてるんだ?お前の攻撃なんざ、スロー過ぎて目を瞑っていても余裕で避けられるし、簡単に片手で受け止められるんだよ」
俺は豚にそう告げると同時に、鎖分銅を掴んでいる右手に紺色の炎を発生させ、鎖を通して勘違い豚野郎を焼き殺した。
「予想通り、豚頭族で手応えのある奴が1人もいないな。豚頭将軍も大したことが無さそうだし、それなりに手応えのありそうなのは豚頭帝くらいか?
だが、リムル様の初陣である戦で敵総大将の首をリムル様ではなく俺達が討ち取るのも問題な気が……。どうする、親父?白老?」
「そうだな。妖鬼以上の存在である我らが格下の豚頭族を一方的に狩るというのは、弱者を甚振る外道な行為にも思える。故にここはリグル殿達に一任するのも手ではあるが―――」
「リムル様の華々しい勝ち戦の初陣で我らが高みの見物というのは家臣として問題がありましょう。戦場である以上、強者が少なかろうと―――」
「敵前で武器も構えず会話に興じるとは、我等を馬鹿にするのにも程があるわ!」
俺と親父、白老が話をしていると、1体の豚頭族が白老を背後から襲った。まぁ、当然のことながら白老はその豚頭族の攻撃を容易く避けた訳なんだが……。そして―――
「活躍せねば末代まで語り継がれる鬼の恥となりましょう?」
襲ってきた豚頭族は白老の斬仙剣で一瞬の内にコマ切れとなった。流石は音速の斬仙剣。一瞬の内に放たれた50の斬撃だけでなく、抜刀と納刀の瞬間も写輪眼が無ければ目視することはできなかっただろう。
「白老の言う通りだな。この戦はリムル様の初陣。後世で笑われぬ働きをせねばならん」
親父はそう言い終えると同時に豚頭族の固まっている所に煉獄業火を放ち、俺もそれに続く形で別の場所に固まっている豚頭族へと煉獄業火を放つ。
「あ、あの紺炎球から逃げろ!触れたら灰も残さず燃え散らされるぞ!!」
煉獄業火で燃え散る同胞を見て、撤退の指示を出す豚頭族。投降ではなく撤退か。逃げ延びた先で再起を計られ、リムル様の里を襲撃される危険性は早めに排除した方がいいな。
親父も俺と同じ考えに至った様で、修羅の紫呉と紫苑に指示を出した。
「紫呉、紫苑。投降する者は生け捕りにし、逃げる者は例外なく狩れ。捕虜は戦後の労働力として使える可能性があるからな」
「「御意!」」
親父の命で逃げ出す豚頭族に突撃する紫呉と紫苑。ある豚頭族は爆刀・飛沫で爆殺され、ある豚頭族共は宝貝・火尖鎗で串団子の様に貫かれて焼殺。また、ある豚頭族共は鈍刀・兜割の鉞で体を両断され、槌で肉と骨が砕かれる。
………うん。ランガが技能攻撃をする前から紫呉と紫苑は同じ様な攻撃で豚頭族を殺していたが、兜割の槌の方で攻撃された奴は死にぞこなったら死ぬまで生き地獄を味わうだろうな。
【視点:リムル】
俺と朱菜がここに到着した直後は圧倒的に優勢だった豚頭族の軍勢が今は完全に戦線を押し戻されてるな。
俺達の勢力が参戦して30分も経っていないのに、既に1万以上の豚頭族が現世から退場している。しかも、その死に様が焼殺、爆殺、斬殺、撲殺だからな。思わず「南無南無」と言ってしまいそうになる。
あっ、兜割で豚頭族を斬殺&撲殺していた紫苑が俺と朱菜に気付いて槌を持った方の手を振って来た。
いい笑顔だが顔に飛び散った豚頭族の血痕のせいで恐怖しか感じられないぞ。直情型な感じもするし、極力紫苑を怒らせない様にしないとな。
それにしても優秀な部下が多いからやることが無くて暇だな。『思念伝達』で俺から俯瞰情報を得た紅麗が的確な指示を出すから、俺が指揮することもなく豚頭族の前衛部隊が後続と分断され、駆逐されていく。
紅麗も投降する豚頭族は生け捕りにするみたいだし、いくら豚頭帝が味方の恐怖心を喰らえたとしても、同胞の無残な死に様を目にし続ければ生き残っている豚頭族達の精神も折れるだろう。
紅麗達の魔素残量から考えると明日の昼までは戦えそうだし、この一方的な状態をこのまま維持できるなら夜明け前には豚頭帝を除く全豚頭族の精神を圧し折って捕虜にできるだろう。
………あっ。よくよく考えると朱菜が尾獣チャクラを他者へと譲渡できるから、こちら側の魔素切れ&チャクラ切れの心配はないのか。
豚頭帝と豚頭族の軍勢、完全に詰んでるじゃん。根絶やしにされるか、投降して捕虜になるかの2択しか残ってねぇ。
ってか、さっきからドラ○ンボ○ルの舞空術を使った高速飛行音みたいな音が聞こえてくるんだけど、この音何なんだ?そう思いながら飛行音の聞こえてくる方向に顔を向けると、何かが俺の真横を通り過ぎ、豚頭帝の前に降り立った。
何だ、あれ?ザ○ボンかドド○アが来たのか?それともギ○ュー隊長か?他の4人の隊員はどうした?ベジ○タにぶっ殺された後なのか?
と冗談はこれ位にして、豚頭帝の前に降り立ったのはペストマスクの出来損ないみたいな鷲鼻マスクの小柄な三下臭全開の男、……男だよな?多分男(?)だった。……ん?鷲鼻の付いた布製のマスク?どっかで聞いた特徴だな?
(告。個体名:大筒木朱菜から報告された魔人ゲルミュッドの特徴と一致します)
ゲルミュッド?………あぁ!豚頭族の軍勢の一部を大鬼族の里に嗾けた疑いのある魔人か?
(告。個体名:奈良リグルの兄に名付けを行った者も「魔王軍の幹部、ゲルミュッド」という情報です)
そういえば、そんなことをリグルが前に言ってたっけ。けど、こいつが魔王軍の幹部?どう見ても某国民的RPG第5作に登場する悪の教団所属の鞭男レベルの雑魚じゃね?
(告。個体名:ゲルミュッドの魔素量は大鬼王へと進化した個体名:奈良リグルドと同等です)
つまり、妖鬼より劣ってる訳だな。そんな魔素量でよく大鬼族だった紅麗達に名付けしようと思ったな。名付けって、魔物や魔人にとって危険な行為なんだろ?
もし、あいつが大鬼族だった紅麗達に名付けをしていたとして、紅麗達は存在進化をすることができたのか?
(告。個体名:大筒木紅麗は初接触時、大鬼将軍であった為、大鬼候に進化していた可能性があります。他の個体も大鬼族から大鬼将軍へと進化していた可能性があります)
あっ、一応存在進化はできたんだ。けど、ほんの少ししか進化できてないじゃん。名付けする意味無くね?
(告。無能で低脳な魔人がどういった思考で行動しているのか分かりかねます)
だよな。まぁ、どうでもいいか。黒幕、もしくは黒幕に繋がってるっぽい奴が出張って来てくれたのはこっちにとっても幸運だ。
こっちには拘束系の術を得意とするリグル達奈良一族がいるし、情報を吐かせるのも朱菜や紅麗、紅丸が輪廻写輪眼や写輪眼を使えば余裕だろう。
飛んで火にいる夏の虫。鴨が葱を背負って来るってのは正にこのことだな。
後書き
という訳で今回は前回の紅丸サイドの視点でした(笑)
ゲルミュッドの魔素量とか完全にオリジナル設定なんですが、実際のところはどのくらいの強さだったんでしょうね?
(少なくとも鬼人族以下だったと思いますが………)
取り敢えず、次回こそ豚頭帝戦になります。1月までには森の騒乱編を終了させたいですが、無理かな?無理だろうな………。
まぁ、体を壊さない程度に頑張っていきたいと思います。( ゚∀゚)ノシ
ページ上へ戻る