憑依先が朱菜ちゃんだった件
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第12話 改訂版(2018/11/07)
前書き
おはこんばんにちは!そして、3ヶ月振りです。沙羅双樹です!
仕事が忙しく、また精神的疲労から情緒不安定になっていたりしたので、2月と3月に更新ができませんでした。
憑シュナを楽しみにされていた方々、誠に申し訳ありません。
そして、今回はルビ込みで双文字数約3800と文章量が少ない点も謝罪させて頂きます。
話の流れ的には豚頭帝戦の前哨戦と言った所です。
会話文が殆どないのですが、それでも楽しんで頂ければ幸いです。
追記
色々と加筆修正してみました。その結果、総文字数が約6900と修正前より3000字程多くなっています。
増えた分、修正前より楽しんで頂けると幸いです。
【視点:朱菜】
蜥蜴人族との同盟が締結してから数時間後。飛行系宝貝・天騒翼を使って私とリムル様が戦闘の最前線となっている湿地帯へと先行して来た訳なんですが……。
ぶっちゃけ、蜥蜴人族と子鬼族の混成部隊は豚頭族の軍勢に囲まれて完全に詰んだ状態になっていて、私だけでなくリムル様も呆れ状態になっています。
起風発雷で豚頭族の軍勢を殲滅することもできるけど、出力的に考えると蜥蜴人族・子鬼族混成部隊諸共になりそうなんですよね。
あっ、念の為言っておくと私とリムル様の背中に生えている翼の数は6枚3対の最終形態で、リムル様の方は宝貝、私の方は如意羽衣による部分変化です。
最初期の折畳み式天騒翼の出力を1とすると、大型天騒翼が3。そして、6枚3対天騒翼が18といった所なんです。
大型天騒翼でも花狐貂――鯨モドキな攻城宝貝を押し返すことが可能な暴風を起こせると考えると、6枚3対天騒翼がどれほど強力か理解できると思います。
現状、戦っているのはクーデターを起こした駄蜥蜴と豚頭親衛隊と思しき個体の2人だけなんですよね。他の混成部隊と豚頭族の軍勢は全く戦ってないので、一騎打ちをしている所なんでしょう。
もう少しだけ駄蜥蜴が持ち堪えられたら、お父様達が到着するでしょうから一気に形勢逆転できると思うんですけど……。
っと、そんなことを考えている間に駄蜥蜴と豚頭親衛隊が共に三叉槍と戦斧で必殺技っぽいのを放った様です。
駄蜥蜴の必殺技は渦槍水流撃というみたいなんですが、どの辺りが渦なんでしょう?水を纏った槍を回転させている所でしょうか?
私には三叉槍を回転させながら突きを放つ点が同じだけで、水を纏っている以外は威力も速度も本家より圧倒的に劣っているブラッディースクライドもどきにしか見えないんですが……。
あと、豚頭親衛隊も戦斧を回転させながら突きを放ち、混沌喰と技名を叫んでいましたが、何故に戦斧で回転突き?槍の様な穂先も無い両刃の斧で突き技を放つ意味があるんでしょうか?
しかも、豚頭親衛隊の妖気がモンゴリアン・デス・ワームの様な姿で実体化したんですけど、どう見てもこの実体化した妖気が混沌喰という技ですよね?戦斧の回転突きは混沌喰と全く関係ない様にしか見えないんですが……。
もしかしてアレですか?渦槍水流撃の威力を相殺する為に戦斧による回転突きを放ったということなんでしょうか?
もしそうなら、ただの回転突きに相殺される渦槍水流撃が超絶弱い技ということになってしまうんですが……。
というか、5体のモンゴリアン・デス・ワームが加わったことで彼我兵力差が6対1になって、より一層駄蜥蜴が不利になってしまいました。
もう少しでお父様達が到着するんですが、それまで駄蜥蜴は持ち堪えられるでしょうか?まぁ、無理そうな場合は私が宝貝・番天印でも使って助けてあげましょう。
よくよく考えれば豚頭帝を除く豚頭族の軍勢を殲滅するだけなら、番天印でも可能なんですよね。
番天印は押印したものを100%殺傷するマルチロックホーミングレーザーの様な宝貝。射程距離は禁鞭より劣るものの、対軍勢戦に於いての有用性はほぼ同レベルといってもいい筈です。
実際の所、私の作った番天印は射程(押印可能)距離が半径500m、最大捕捉人数1000人の高性能対軍宝貝ですからね。
ちなみにオリジナルの禁鞭は射程距離が直径6km、最大捕捉7000人、部分変化禁鞭は射程距離が直径3km、最大捕捉3500人といった所でしょう。
っと、そんな説明をしている間にお父様達が到着したみたいですね。リグルさんとゴブタさん、ランガが駄蜥蜴の救援を行ってます。
それと同時に二ヶ所で鬼王の妖炎や黒炎獄の上位互換に当たる煉獄業火が発生しました。あれはお父様とお兄様ですね。一気に数百単位の豚頭族が灰も残さず燃え散ったことでしょう。
他にも紫苑が鈍刀・兜割の鉞と槌で豚頭族を両断し、骨を砕く音。紫呉が爆刀・飛沫で豚頭族を爆殺している爆音が聞こえてきます。白老は音も立てず、斬仙剣で豚頭族を細切れにしてますね。
あっ、ランガが黒雷嵐を使ったみたいですね。複数の竜巻と黒雷が発生し始めました。
「ええぇ……、何これ……?」
「恐らく、ランガによる広範囲攻撃と思われます。威力はリムル様と私が使っている天騒翼の起風発雷の方が上ですが、有象無象の数を減らすには効果的な手段といえるでしょう。もしかすると、敵軍の士気を下げることも考慮して使ったのかもしれません」
「………それは一体どういうことだ?」
「目の前で同族がその身を竜巻で捩じ切られ、黒雷に焼かれるのを直視するのです。それが自分の身にも起こると考え、豚頭族達が怖気付く可能性は十二分にあり得ます」
「成程。恐怖で敵の戦意を挫く策か」
いや、実際はそんな策を考えたりして無いでしょうけど。実際の所は「リムル様を侮辱され、ムシャクシャしてやった。反省はしていない」といった所でしょうか?
まぁ、リムル様を侮辱する者に生を享受する権利はありませんので、ランガの行動も問題ないでしょう。……それにしても、私達の勢力が加わっただけで一気に形勢逆転しましたね。
原作では存在しないお父様と紫呉が存在している上、リグルさんやゴブタさん達――元人鬼族組が大鬼族に進化しているので、もしかしたらリムル様と私達の出番がないかもしれませんね。
……原作に存在しないといえば、蒼月が蒼影と共に蜥蜴人族の首領の方に行きましたが、向こうはどうなっているのでしょう?
蒼影一人でもでも余裕なのに、蒼月も加わったのはオーバーキルだったかもしれません。
【視点:蒼影】
俺と親父殿が蜥蜴人族の住処である地下大洞窟に辿り着くと、既に数十体の豚頭族が侵入していることが魔力感知で分かった為、二手に分かれ行動することになった。
親父殿は蜥蜴人族の首領がいる首領の間へと向かい、俺はそれ以外の場所にいる豚頭族を排除する為だ。
俺達が到着した後に同盟種族に犠牲者が出たとあっては、リムル様の顔に泥を塗ることになる。そう愚考した故の行動だ。
で、俺が18体の豚頭族を長刀・縫い針で6体ずつ、3つの塊に縫い纏め、それを引き摺りながら首領の間へと向かうと、そこでは2体の豚頭将軍が粘鋼糸で拘束され、蜥蜴人族の首領が大口を開けた状態で呆けていた。
「何をしているんだ、親父殿?その程度の奴、瞬殺できるだろう」
「そういうお前こそ、その後ろの塊は何だ?」
「これは蜥蜴人族への手土産だ。俺達が到着するまでの間に蜥蜴人族も豚頭族に喰われている筈。自分の手で同胞の仇を取りたいと思っている者もいると考え、半殺しで捕らえた」
「成程。俺はこいつらに伝言役を頼もうと思って生かしている。まぁ、こいつらに情報共有の秘術がかけられている為、こちらの手の内を明かせんという理由もあるのだがな」
「こいつらが纏っている血の臭いから察するにかなりの蜥蜴人族を喰らった筈だ。こいつらの止めも蜥蜴人族に譲ってはどうだ?
蜥蜴人族は同胞の仇を取れる。俺達は黒幕に手の内を知られない。お互いにとって好都合な提案だと思うが?」
「そうだな。……首領殿、聞こえていたと思うがこの豚頭族共への止めを任せてもいいだろうか?」
「う、うむ。我らとしても同胞の仇を討ちたいので、是非も無い提案だ。しかし―――」
「安心されよ。豚頭族共の動きは我らが封じる。それにいくら無駄に生命力の高い豚頭族でも槍で頭を一突きすれば絶命する」
親父殿はそう告げると同時に動きを封じた2体の豚頭将軍を俯せに転倒させる。俺も引き摺って来た豚頭族共の塊を蜥蜴人族達の前に突き出した。
すると、蜥蜴人族達は兵士だけでなく、非戦闘員であるあんな子供までもが床に散らばっていた槍などを手にし、身動き1つできない豚頭族達へと近付いて行った。
「ま、まっ―――」
豚頭族共は命乞いをするより早く蜥蜴人族達にその豚面を槍で貫かれていった。因果応報。恨みを買う様なことをし続けた者には当然の末路といえるだろう。
これで地下洞窟内の豚頭族は殲滅できた。地上の部隊はどうなっているだろう?リムル様と朱菜様が居られる以上、敗北は無いだろうが、豚頭族相手に無様を晒している者が居ないか、その点が少しばかり心配だ。
【視点:世界】
時は少しばかり遡り、先行したリムルと朱菜を追って湿地帯へと辿り着いたリグル率いる大鬼騎兵部隊と紅麗達鬼一族の幹部を除く妖鬼部隊。
リグル達が湿地帯で最初に目にしたのは、完全に豚頭族の軍勢に包囲された蜥蜴人族と子鬼族の混成部隊の姿だった。
この光景を目にしたリグル達の心境は全く同じもので、「何をどうすれば、こんな絶体絶命な状況になる?」というものだった。
絶体絶命過ぎる混成部隊の状況に呆れつつもリグルは同盟種族を救助する為、混成部隊の背後にいる豚頭族軍への突撃を同胞へと命じた。
「「「「「「「「「「うおおおぉぉぉぉぉ!!!」」」」」」」」」」
リグルの命令と同時に雄叫びを上げ、豚頭族軍に突撃するリムル軍。混成部隊を囲んでいる豚頭族軍は全軍が豚頭将軍とガビルの一騎打ちを観戦するのに集中して隙だらけだった為、混成部隊の背後にいた豚頭族軍は呆気なくリグル達に殲滅された。
「な、何だ!?何が起こった!!?」
いきなりの出来事に混乱する豚頭将軍。当然、援軍が来るとは思っていなかったガビルも混乱している。そんな中、ガビルは自分の目の前に現れた人物に更に驚きの声を上げる。
「き、貴殿はあの里の大鬼族!名はゴブタ殿だったか?我輩達の助太刀に来てくれたのであるな。周囲の者達は……、ゴブタ殿の配下であるな!流石は我輩を打倒した戦士。あの里で戦士長を務めているのであるな!!」
ガビルの発言を耳にしたその場にいるリムル軍の全員が一瞬の内にその額に青筋が浮かべた。理由は簡単。この場におけるリムル軍の指揮官は右近衛大将であるリグルであり、ゴブタではないからだ。
無論、ゴブタに指揮官としての才能がないという訳ではない。実力的には分隊や小隊を指揮できる能力はある。しかし、紅麗や紅丸からはお調子者である為、現時点では中隊以上の規模を任せられないと判断されているのだ。
指揮官と間違ったのがゴブタではなく、妖鬼部隊の誰かであれば、流石にリムル軍の全員が不愉快な思いをすることは無かっただろう。
「な、何を言ってんッスか!?オイラは戦士長なんかじゃなくて、一兵卒ッスよ!!?」
「ゴブタの言う通り、この部隊の指揮権は紅麗殿よりこちらのリグル殿が預かっている。ゴブタに指揮権はない」
同胞が不機嫌になっていることを察したゴブタは自分が一兵卒であることをガビルに告げ、ランガもゴブタの言を肯定する。
「貴殿は牙狼族の……」
「ランガだ。森の管理者である樹妖精の要請を受諾されたリムル様の命により豚頭族の討伐に赴いた」
「………リムルなどという魔物の名は聞いたことが無いな。それにゴブタと言ったか?貴様、その角と妖気から察するに大鬼族だな?
大鬼族の里は数千に及ぶ別動隊に襲わせたはず。何故、貴様――いや、貴様らは生き残っている?」
ランガがガビルに自分の名と蜥蜴人族の救援にやって来た理由を告げると、その話を聞いていた豚頭将軍が話に割り込んだ。
豚頭将軍は大鬼族の里を襲撃した別動隊のことを知っていた個体であった為、この場に現れた大鬼族の部隊――正確には大鬼騎兵と妖鬼が生存していることに疑問を感じ、ゴブタへと問い掛けたのだ。
「別動隊?ああ、そういえば紅麗さん達がそんなことを言ってたッスね。そんなの当の昔に朱菜様が全滅させたッスよ」
「数千の部隊を全滅だと、笑えん冗談だな。……いや、しかし別動隊が大鬼族の里に向かって既にかなりの日数が過ぎている。まさか、本当に……」
豚頭族の別動隊が全滅したのは事実だが、数千にも及ぶ部隊が全滅した事実を受け入れられない豚頭将軍は混乱する。そんな豚頭将軍にゴブタは更に追い打ちを掛けた。
「っていうか、少し前までオイラ達はただの子鬼族だったッスよ。大鬼族の里とは何の関係も無かったッス。大鬼族まで進化できたのはリムル様と朱菜様が名付けをしてくれたからッス」
「な、名付けで子鬼族を大鬼族まで進化させる魔人が2体もいるだと?そんな話、信じられるか!!」
「事実ッスよ。ってか、大鬼族の里にいた大鬼族も全員がリムル様と朱菜様の名付けで妖鬼以上の魔人に進化してるッス」
ゴブタがそう告げると同時に、豚頭将軍の後方に存在する部隊が蒼と黒の中間―――濃紺のドーム状の炎に包まれ、灰も残さず消滅した。
「初めて見たッスけど、あれが羅刹以上の鬼が使える煉獄業火ッスか。今ので数百体の豚頭族は屠ったんじゃないッスか。ホント、紅麗さんと紅丸さんは容赦ないッスね」
(オニとは何だ?大鬼族の上位存在として鬼人族なる魔人が存在すると聞いたことはあるが、オニなどという種族は聞いたこともない!それにラセツなる種族も知らんぞ!!
鬼人族以上の存在であるならば、危険極まりない。王の為にも何としても討ち取らねば!!)
豚頭将軍は豚頭帝の為、煉獄業火を放った紅麗と紅丸、そして、鬼人族以上の存在である妖鬼を自身の命に代えても討ち取らねばならぬと心に決めた。
「……ゴブタといったか?我らが王の為、何としてもオニなる存在を討ち取らなくてはならなくなった。貴様を含む大鬼族と遊んでいる暇はない。一瞬で決着をつけさせて貰うぞ」
「一瞬で決着、ッスか?別にいいッスよ」
ゴブタはそう返答すると同時に背負っていた真紅の長槍――火尖鎗Ⅲを手にし、器用に回転させながら構えた。
「あんたの心臓、貰い受けるッス」
ゴブタがそう告げると、豚頭将軍が気付いた時には火尖鎗Ⅲの炎の穂先がその心臓を貫いていた。
「な、んだ…と……」
豚頭将軍は信じられないと言わんばかりの顔をしながら火尖鎗Ⅲによって体の内と外から燃やされ、灰となった。
「火力的には凄い筈なんッスけど、煉獄業火を見た後じゃ、火力自慢はできないッスね」
「………お、豚頭将軍を1体倒した程度でいい気になるな!我ら豚頭親衛隊の中には豚頭将軍が複数体存在しているのだからな!!」
「所詮は豚か。ブヒブヒと五月蠅いことこの上ない。豚が集団で騒いだら主も不愉快だろう。少しばかり数を減らさせて貰う」
強がりを言った豚頭親衛隊に対してランガはそう告げると同時に黒雷嵐を使い、紅麗達の煉獄業火と同様に豚頭族の数を数百単位で削った。
後書き
という訳で豚頭帝戦の前哨戦とも言える豚頭族軍殲滅戦でした!
次話から本格的に豚頭帝戦に突入するんですが、その前に皆さんに聞いてみたいことがあります。
本作では原作での魔王覚醒編の時期に朱菜が首都リムル(仮)直上に仙人界(崑崙山or金鰲島)を作る設定なんですが、崑崙山と金鰲島のどっちがいいと思いますか?
(種族的に考えると金鰲島なんですが……)
あと、少し前までオーバーロードⅡが放送されていたこともあって、友人からオーバーロード×憑シュナのネタを頂きました。
内容的にはナザリックが転移した同時期に上記の仙人界(崑崙山or金鰲島)がナザリック直上に転移するというものです。
ナザリックとリムル勢力の共闘モノなんですが、この場合同盟組織になるのか、それともリムルが至高の42人目になるのかは現時点では未定となっています。
ただ、リムルと朱菜、アインズの3名がはっちゃけまくる話になるのは確実でしょう。
ちなみに。この話を読んで見たいという方はおられるでしょうか?おられる場合はもう少し設定を煮詰めていきたいと思います。
では、次回も頑張って更新したいと思いますので、応援よろしくお願いします!(^-^)
追記
次話も冒頭を【視点:世界】にして、紅丸達の戦闘シーンを書くべきかで迷っています。その点のご意見など感想で頂けると幸いです。
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