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仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
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序章~全ての始まり、守護者の刃~
最終章 決着編
  第54話『大変!新たな魔法使いなの』

─それは、平凡な高校一年、凪風雅に訪れた小さな出会い。失ったのは自分の世界。手にしたものは希望の力。でも、その力は悲しい瞳をした少女に奪われた。だから取り戻す!その力も、少女の心も!仮面ライダーディロード、始まります─


雅がフェイト達と通信をしていた頃、赤い瞳の少女は集めた二つのジュエルシードとディロードライバー、そして土産のお菓子を持ち、魔方陣を展開していた。
「フェイト、本当に行くのかい?」
橙色の狼が少女─フェイトに質問する。
「うん、それにこのロストロギアについても報告しないといけないし。」
「だけど、またフェイトが酷い目に遭うのは見ていられないよ。」
「そんなことないよ。母さんは少し言葉が下手なだけだから。」
「だといいけれど。」
「それより行くよ、アルフ。」
フェイトに言われ、その狼─アルフは頷く。
「開け、いざないの扉。時の庭園、テスタロッサの主のもとへ」
フェイトは術者と対象を特定の地点へ転移させる儀式魔法を使い生まれ故郷へ向かう。

「ジュエルシード、シリアルⅩⅡ、封印!」
雅は封印魔法を発動し、新たにジュエルシードを回収する。
「高町さん、大丈夫ですか?」
雅は暴走していたジュエルシードの攻撃を受けて倒れていたなのはに手を伸ばす。
「そう言えば、今日もあの子来なかったですね。」
立ち上がりながらなのはは雅に言う。
「そうですね。ですが、ユーノさんのジュエルシードを回収するのに、邪魔が入らないのは助かりますね。」
雅とユーノは結界を解除する。

「あの時、こんな会話があったんだ…」
フェイトは雅となのはの会話を聞いて呟く。
「その頃フェイトちゃんはどこにいたの?」
圭一はフェイトに質問する。
「母さんの、所…」
フェイトは言葉が詰まるように返す。
「どうしたの?」
『フェイトにとって、母親のことはまだ整理がついていない。無理も無い。あの現実は、子供には辛すぎる。』
なのは達と別れた雅は通信で会話をする。
「それって、やっぱりその事件と関係が?」
『無い、と言えば嘘になるけど、百点とも言えない。フェイトがなのはに敗れて時空管理局に連行された時に、真実を知ることになると思う。フェイト、その時は通信は遮断しておく方がいい?』
圭一と話していた雅はフェイトに質問する。
「ううん、きっと圭一達も、真実を受け止めてくれると信じている。だから大丈夫だよ。それに、今の私は…」
『強いから、かな?』
「うん!」
『そうか。それならそろそろ通信を切る。確か、じきに時空管理局が動き出す。もしもの時を考えて、今日はこれまでだ。』
「頑張ってね。」
『ああ。』
雅は連絡を終わらせる。

「最近、ロストロギア関連の事件が舞い込んで来たって?」
「うん、それで反応としては五つ。実動で動いているのが三つ。補助が二つって所。話し合いが出来るといいけれど。」
「出来ない場合は捕らえる。僕が直接現地へ向かう。」
「気をつけてね。実動は二つがA+、一つは補助に関してはオーバーSだから。」
「何、慣れてはいる。それに、思考や対話はランクでは測れない。」
ここは時空管理局の艦船アースラの内部。執務官のクロノ・ハラオウンがオペレーターのエイミィ・リエッタと話をしていた。

その頃、フェイトは─
「母さん、まずこれが回収したジュエルシードです。」
自身の故郷、時の庭園に着き、大広間に入ったフェイトは二つのジュエルシードを渡す。
「それで、連絡で話したこのロストロギアだけど…」
フェイトは母、プレシアにディロードライバーを見せる。
「これね…」
プレシアはディロードライバーに触れる。すると、
『非適合者を確認、殲滅開始』
ディロードライバーから警戒音が鳴り爆発性の金属片が放たれる。プレシアとフェイトは咄嗟に離れディロードライバーを中心に防護壁を展開して爆撃を回避する。
「フェイト、これはどういうことかしら?」
「…そんな!?」
フェイトは驚く。
「まさか何も調べずに持ってきたわけではないでしょうね?」
「ごめんなさい、母さん…」
手元に戻ってきたディロードライバーを見てフェイトは謝る。
「それよりも…」
プレシアは声色を変え、自身が持つ杖型のデバイスを魔力の鞭に変え、あろうことかフェイトを打つ。
「あれだけの期間でたかだか二つ。ねえフェイト、あなたは母さんを悲しませたいの?」
プレシアは更に力強くフェイトを鞭打つ。
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい…」
フェイトはただ、謝ることしかできなかった。

プレシアが大広間から出るとアルフは人間態に変身し、プレシアを睨みながら大広間へ入り気絶しているフェイトに駆け寄る。
「フェイト、大丈夫かい?」
幾多にも及ぶミミズ腫れの跡を見たアルフはフェイトを抱きかかえる。
「…大丈夫だよ、アルフ。私、強いから…」
意識を取り戻したフェイトはアルフを見て言う。
「だけど…このままじゃフェイトの身が保たないよ!」
アルフは心配して言う。
「大丈夫。それよりも、次のジュエルシードを探さないと。」
フェイトは立ち上がり、地球へ向かった。

時は夕方、なのはとフェイトは向かい合っている。
「そのジュエルシードは、ユーノ君の物なの。だから…」
「母さんの為にも、それを回収しないと。」
なのはとフェイトは武器を構えて見合っている。そこには、未覚醒のジュエルシードがあった。そして、二人が突き進んだ瞬間、
「そこまでだ!」
転移して来たクロノが二人のデバイスを掴む。
「誰っ!?」
なのはは驚く。
「時空管理局だ!君たち、本部まで来てもらう!」
クロノは話すがフェイトは離れ、転移しようとする。その時、
「忘れ物だ!」
雅はフェイトに掛けてもらったマントを投げわたす。
「しっかりクリーニングはしてある。」
「ありがとう。」
フェイトはそう言うと、アルフとともに去る。
「君たちも、事件の重要参考人として来てもらうよ!」
クロノはなのは達を見ながら言い、なのは達は頷き時空管理局のアースラに向かった。

「君も、そろそろ元の姿に戻ってもいいんじゃないのか?」
クロノはユーノに言う。
「わかった。」
ユーノはそう言うと、薄緑の魔力光を光らせ少年の姿になる。
「えっ、えぇぇぇ~!?」
ユーノの姿を見てなのはは驚く。
「驚かせてごめん。こっちが僕の本当の姿。向こうは魔力が足りない時や、探索の時に使っているんだ。」
ユーノは驚く。
「君は驚かないんだな。」
クロノは雅に話す。
「あれより凄い敵と何度も戦っているので。」
「そうか。ところで、君の出身世界は?」
クロノは更に雅に質問する。
「えっ、雅さんって地球人じゃないんですか?」
なのはは疑問を口にする。
「そう。僕は地球人、当然地球出身。だけど、それだけだと百点ではないよ。僕は地球は地球でも、多次元世界の地球出身なんだよ。」
雅はなのはに説明する。
「そう言うことか。あの逃げた容疑者からも、僕たちの次元とは異なるエネルギーが観測された。君が関連しているのか。」
「はい。彼女との最初の交戦の際、僕が元々所持していた武装を彼女に奪われました。」
「なるほど。だから君たちは共闘していたのか。スクライアの方で紛失したジュエルシードの回収、それから自身の所有物の奪還で意見が一致して。」
「僕の方はそれで間違っていません。」
雅は認める。
「こっちは、単に協力者が欲しかったんだ。」
ユーノは概ね認める。
「さて、これからジュエルシード事件の対策室に入る。言葉は選ぶように。」
クロノに誘導されて対策室に入ると、緑の髪の女性が和のような空間で日本式のお茶を淹れていた。
「艦長、何をしているのですか。」
「あら、客人をもてなす準備だけど。あなた達の世界ではこれで問題ないかしら、高町なのはさん、それに凪風雅さん?」
アースラの艦長にしてクロノの母親、リンディは質問する。
「一つだけ間違いが。淹れた茶にシュガーとポーションミルクを入れるのは欧州式の紅茶で和式の緑茶には使いません。」
「雅、言葉を選ぶように言ったはずだ。」
「クロノ執務官、相手の国の文化を間違えるのは無礼に当たります。時にはそれが原因で諍いが起きるの。だから文化を間違えている場合は指摘してもらう方がいいわ。それで雅さんになのはさん、ユーノ君にお願いなんだけど、私たちの対策本部に入っていただけないかしら?」
リンディは質問する。
「本当ですか!?」
雅達は驚く。
「私たちとしては、悪い人を捕まえることより、事件の早期終息の方が大切なの。そのためにも、協力者が多い方が助かるの。」
「わかりました。こちらで協力出来ることがあれば、いくらでも。」
雅達はリンディの提案を受け入れ、時空管理局と合同でジュエルシードの回収を始めた。

フェイトがジュエルシードの回収に難航する中、雅達は時空管理局というバックアップを受けて回収が順調に進んだある日、戦闘の中で雅とフェイトは孤立する。
「君、名前は?」
「フェイト…フェイト・テスタロッサ。」
「きれいな名前だね。ところで、あの日、初めて僕にあった日に僕から奪ったあのドライバー、返してもらえないかな?」
「これのこと?」
【KAMEN RIDE-DELOAD-  FORM RIDE-DELOAD
LIGHTNING-】
フェイトはディロード ライトニングブレイブに変身する。
「それは僕の希望の力、人を護る為の物だ。返してもらえないなら勝負を申し込みたい。」
「勝負?」
「僕が個人的に回収した四つのジュエルシードと、君が僕から奪ったドライバーを賭けて、明日早朝に。」
「わかった。」
【ATTACK RIDE-WARP-】
ディロードはワープのアタックライドで撤退する。
「逃げられたか。」
雅が戦っている頃、ジュエルシードを無事回収したなのは達が合流し、アースラに戻る。

「勝手な勝負を取り決め、申し訳ありません。」
雅はリンディに誤っていた。
「あの子、フェイトさんが持っていったあのロストロギアには、それだけ大事なものがこめられているのかしら?」
「はい、あれは僕と世界の絆の証。それに、世界や、人の心を護る為の物を悪いことに利用されたくないので。」
「確か、明日の早朝でしたね。必ず勝ちなさい。」
「はい!」
雅は対策室を出た。

翌朝、フェイトと雅は向かい合う。
【KAMEN RIDE-DELOAD-  FORM RIDE-DELOAD LIGHTNING-】
フェイトはディロードに変身する。
「これ以上、装填の守護者の力を悪用させない。トライフィン!」
ディロードは自身の魔力で、雅は透明な魔力光の足具を纏わせて飛ぶ。
「カルテットバインド!」
雅はメインとなる四重のバインドでディロードを拘束するが、
[bind break.]
バインドブレイクによって破壊され、ブリッツアクションで距離を詰められ攻撃を受けそうになるが、プロテクションで防ぐ。
「クイックバインド!」
雅は今度はバインドブレイクを無効にする即効性のバインドでディロードを拘束する。
「導け、鋼鉄の拳よ。」
雅は身体強化の魔法を使ってディロードに攻撃出来る防御を纏わせてディロードに拳を放つ。
「っ!?」
ディロードがその拳で怯んだ瞬間、
「ドレインバリア!」
雅はディロードを対象にバリアを展開する。
「これは?」
ディロードは疑問に思うが、その正体を知るのに時間はかからなかった。
「力が、抜けていく!?」
[どうやら、我々を防護する代わりに対象の魔力を吸収するバリアのようです。]
「ありがとう、バルディッシュ。」
ディロードはバルディッシュの説明を聞きディロードはバリアから脱出するが、
「カルテットバインド、ツインフォーメーション!」
雅はカルテットバインドを二重にかける。

「すげぇ、雅さんってやっぱり強い…」
モニター越しに観ている圭一達も唖然としている。

「高町さん、ユーノさん!多分この一発を撃ったら墜ちますので、拾って下さい!」
雅はなのはとユーノにお願いをし、
「悪いけど、勝たせてもらう!強者必滅……」
雅は己のリンカーコアの残りの魔力を全てチャージする。
「スパイラル!バーストォォォ!」
両手から放たれる螺旋状の魔力がバインドされているディロードに放たれる。通常形態のディロードでは無論この攻撃は防げる範囲である。しかし、フェイトの変身しているライトニングブレイブは速度を重視し、装甲が極めて脆くなっている。そして、雅のリンカーコアに内包されている魔力量はなのはとフェイト、そしてはやての合計値を遥かに超える魔力量がこめられている。それを全て放てばどうなるかは目に見えてわかっていた。
「ぅあああぁぁぁぁぁっ!」
螺旋状の魔力はディロードの装甲を砕いてなおディロードを攻撃し、変身が解除される。
「今だ…」
外れたディロードライバーを雅はつかみ取り、そのまま意識を失った。
to be continued.

次回予告
ついにディロードライバーを取り戻せた。今度はなのはが決着をつける番だ。そして明かされる、悲しい瞳の少女の、悲痛な真実。次回『決戦!全力全開の一騎打ちなの』リリカルマジカル、どこまでも 
 

 
後書き
温泉回なんてすっ飛ばしますよ!だってほら、映像として映らないし。なのは編もあと2話で終わりです。 
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