| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

仮面ライダーディロード~MASKED RIDER DELOAD~

作者:紡ぐ風
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

序章~全ての始まり、守護者の刃~
最終章 決着編
  第55話『決戦!全力全開の一騎打ちなの』

─それは、平凡な小学三年生、高町なのはに訪れた小さな出会い。受け取ったのは勇気の心。手にしたものは魔法の力。友達は大切なものを取り戻せた。だから今度は、私があの子を助ける番。でも、その時の私には、事実を受け止める覚悟がなくて…仮面ライダーディロード、始まります─

「……ん」
雅が目を覚ますとアースラのメディカルルームにいた。
「目が覚めたか。」
「…クロノ執務官?……そうか、フェイトに勝って、ディロードライバーを取り戻せたんだ…」
雅は意識を取り戻す。
「そのディロードライバーだが、どういうことか説明してもらいたいんだが。」
「一体どうしたのですか?」
「どうしたも何も、そのロストロギアを調べようとしたんだが…」
「まさか、触れたんですか!?」
「そのまさかだ。まさかあんなシステムが組み込まれていたとは。封印魔法も通用しない。バインドで無力化も出来ない。一体どうなっているのか説明してもらう。それまでは出動禁止だ。」
「わかりました。このドライバーはかつて、悪魔との契約によって手に入れたもので、契約者に世界や希望の力を与えますが、特定の者以外が触れた場合、半径200mに渡って殲滅活動を行い、正規の使用者の所へ戻っていくシステムが組み込まれています。」
「なるほど、だからあの爆発のあと、雅の所へ戻ったのか。」
「はい。」
「ところで、どうしてフェイトが触れても何も起きない?」
「このディロードライバーは僕の他にもう一人だけ、使用出来る人がいました。」
「それは誰だ!?」
「…かつて、僕と一緒にいた妹の、望実です。」
雅はクロノの質問に対して嘘をつく。
「それで、雅の妹とフェイトに接点はあるのか?」
「おそらく、同じ遺伝子を読み取ったんでしょう。このディロードライバーの認証システムは遺伝子認証。遺伝子さえ確認すれば、使用は可能になる。」
雅は説明をした。

「雅、あの時私のことを庇ってくれたんだ…」
モニター越しに観ていたフェイトは呟く。

それから三日後、フェイトは海上にある四つのジュエルシードを強制覚醒させ、交戦していた。
「フェイト、四つのジュエルシードを一気になんて無茶だよ!」
アルフも最大限のサポートを行っているが手数が足りずに苦戦している。

「やはり過ぎた力は身を滅ぼすか」
モニターでフェイトの動きを観ていたクロノは言う。
「クロノ君、行っちゃ駄目なんですか!?」
なのはは言う。
「相手は指名手配中の容疑者だ。それに、向こうが戦闘能力を失ってからの方が、確保もジュエルシードの封印も都合がいい。」
クロノはなのはの言葉に返す。
「確かに、それは戦術としては正しい判断ですね。」
雅はクロノの冷静な判断を評価する。しかし、
「とは言え、彼女には話し合いの余地がある。」
雅は転送ポートを開き、なのはとユーノも出動準備をしていた。
「君たち!自分が何をしようとしているのか分かっているのか!?」
「はい解っています!それでも、今目の前で苦しんでいる人は見過ごせません!これより凪風雅!」
「ならびに高町なのは、命令を無視します!」
雅となのは達は現地へ向かう。
 
「……はぁ、はぁ…」
リンカーコアの残りの魔力が底をつき始めたフェイトは息切れを起こしている。すると、
「レイジングハート、お願い!」
[All right.Stand by lady.]
なのはが上空からバリアジャケットを纏って現れ、
【CHANGE RIDE-FORZE DRIVER-】
「変身!」
[ロ ケット オン]
雅はフォーゼに変身し、ロケットモジュールで滞空する。
「なっ!あんた達!」
アルフは驚く。
「フェイトちゃん、待っていて。今助けてあげる。」
[divide energy]
なのははディバイドエナジーを使い、自身の魔力をフェイトに与える。
「えっ?」
「きっちり仲良く半分こ。」
フェイトの疑問になのはは答え、
「勿論、ジュエルシードも!」
なのはは覚醒したジュエルシードにレイジングハートを構える。
「…わかった。」
フェイトもバルディッシュを構える。
「あんた達…」
アルフは穏やかな声で言う。
「話は後で、まずはジュエルシードの封印を!」
フォーゼはウォーターモジュールを装備してジュエルシードに向かってゆく。
「これは危ないな…」
[コ ズ ミィック オン]
フォーゼはコズミックステイツに変身する。
「人の希望(おもい)が、宇宙を創る!」
フォーゼはバリズンソードにロケットスイッチをセットし、
[リミット ブレイク]
その推進力で突進する。
「ライダーロケットストライク!」
フォーゼの突撃によってジュエルシードが一つ露出し、
「ジュエルシード、シリアルⅨ、封印!」
フォーゼはジュエルシードを封印する。
「ディバイン……バスタァァァー!」
なのはの砲撃魔法が炸裂し、もう一つのジュエルシードも露出。そして、
「ジュエルシード、シリアルⅩⅣ、封印!」
ジュエルシードは更に封印され、
「サンダー…スマッシャー!」
残る二つのジュエルシードはフェイトの射撃魔法によって封印される。
「やったね、フェイトちゃん!」
なのはは笑顔でフェイトの所に向かうが、
「なのは、危ない!」
ユーノが叫び、なのはが立ち止まるとフェイトの上空に暗雲が広がり、
「…母さん!?」
フェイトが怯えながら言うと、そこから紫色の雷がフェイトに降り注ぐ。
「フェイトちゃん!」
なのはは向かおうとするが、
「高町さん、危険だ!」
フォーゼによって止められ、雷がやむと、アルフはボロボロになったフェイトを抱きかかえ去って行く。

「貴方達、ここは組織で行動しているの。誰か一人が命令違反を行えば規則は乱れます。今回は結果が良い方へ向かいましたが、以後このようなことが無いように。」
「はい。」
「ごめんなさい。」
戦闘を終えアースラに帰還した雅となのははリンディに叱られていた。

その頃フェイトは─
「貴方は本当に、なんで母さんを悲しませるの!」
プレシアはフェイトを鞭で打っていた。
「ごめんなさい。ごめんなさい…」
フェイトは意識を失う。
「そろそろ限界ね…」
プレシアはジュエルシードを保管している部屋へ入る。
「この数で、果たして行けるか…」
プレシアが呟くと、アルフが殴り込むように入り、
「あんた、それでも母親か!?子供が一生懸命頑張っているのに、ありがとうの一言もなく道具みたいに扱って!」
プレシアの胸ぐらを掴む。
「主人が主人なら使い魔も使い魔ね…」
プレシアはフォトンバーストを使いアルフを攻撃する。
「どこへなりと、消えなさい!」
プレシアは更に複数のフォトンバーストでアルフを攻撃する。
(このままじゃ、フェイトの身が保たない。…そうだ!あの子になら…)
アルフは意識が途切れる中、次元跳躍で地球へ向かう。

「…母さん?」
「フェイト、アルフはあなたに見切りをつけて出て行ってしまったの。フェイト、あの子と全てのジュエルシードを賭けて勝負しなさい。いい?これが最後のチャンスなの。」
「…わかりました、母さん」
フェイトは涙を流しながら言った。

翌日、なのはは親友のアリサから不思議な大型犬を拾ったと聞き向かう。
「えっ!?」
なのはは驚く。そこには、ボロボロになった狼形態のアルフがいたからだ。
「アリサちゃん、ちょっとこの子と一緒にいてもいい?」
「うん、いいわよ。」
アリサは席を外す。
〝悪いね、こんな姿見せちゃって。〟
〝それで、どうしたんですか?〟
〝実は、あんたに頼みがあってきたんだ。〟
〝頼み?〟
〝あの子を、フェイトを助けてやってほしいんだ。あの子は悪くない。ただ、母親に悪いように動かされているだけなんだ。それに、フェイトが苦しんで、傷つく姿をもう見たくないんだ。だから、頼めた義理ではないのは解っている。でもどうか、あの子を救ってやってくれ。〟

「クロノ執務官、どう思いますか。」
「対象アルフから、敵意は感じられない。だが、指名手配犯の発言を鵜呑みにも出来ない。まずはアルフの確保からだ。」
なのはのやりとりをモニター越しに観ていた雅とクロノの判断により、アルフは時空管理局に保護される。

「あのっ!?」
帰り、なのはが歩いているとフェイトが声をかける。
「フェイトちゃん!?」
「明日、私とあなたのジュエルシードを全て賭けて、勝負してほしい。」
〝構わない。〟
なのはが悩んでいると、クロノが思念通話で許可する。
「解った。明日、フェイトちゃんと私のジュエルシードを賭けた一騎打ち、受けるよ。」
なのは承諾し、その日は別れた。

「見て、お母さん!お花の冠!」
フェイトは夢の中で、己の幼少期の記憶を見ていた。
「まぁ、すごいわね!」
プレシアは微笑む。
「お母さん、私の今度の誕生日、ほしいものがあるんだ!」
「なあに、アリシア?」
プレシアの言葉でフェイトは驚く。
(母さん、私はフェイトだよ!アリシアって名前じゃない!)
そこでフェイトは目を覚まし、なのはとの戦いに向かう。

「私のジュエルシードは五つ、君のジュエルシードは四つ。それを賭けて、私と戦ってもらう。」
「うん。」
フェイトの言葉を聞きなのはは頷きながらバリアジャケットを纏う。

「始まったね。」
「ああ。」
オペレーションルームでモニターを確認するエイミィと、エイミィの寝癖を直しているクロノが話している。
「でも、クロノ君にしては珍しいよね、こんなことを許可するなんて。」
「何。この戦いの結果に意味はない。それなら、好きにさせる方がいい。」
「だけど、なのはちゃんにあの話、してなくていいの?」
「今は話さない方がいいと思っただけだ。」

「ディバインシューター!」
「フォトンランサー!」
二人の弾魔法はぶつかり合う。
(初めて合った時より、はるかに強くなっている。この前よりも!それなら!)
フェイトはひたすらに回避行動を続け、不思議に思ったなのはが追いかけると、設置されていたバインドによってなのはは拘束される。そして、フェイトは呪文の詠唱をはじめる。
「アルカス・クルタス・エイギアス。疾風なりし天神、今導きのもと撃ちかかれ。」
フェイトの詠唱によってなのはの周りに38のフォトンスフィアが展開される。
「やばいって!フェイトは本気だ!」
アルフがユーノと雅に警告する。
「なのは!」
ユーノがサポートしようとするが、
「やめて!これは一騎打ちなの!」
なのはは拒絶する。
バルエル・ザルエル・ブラウゼル。フォトンランサー・ファランクスシフト。撃ち砕け、ファイア!」
フェイトは呪文詠唱を終え、フォトンスフィアから計1070発にも及ぶフォトンランサーを放つ必殺の魔法、フォトンランサー・ファランクスシフトを放つ。
「なのは!」
ユーノは叫ぶ。そして、煙が晴れると、ほぼ無傷のなのはがいた。
「攻撃が終わると、バインドってのも切れるんだ。」
なのはが言い、危機を感じたフェイトは逃げようとするが、なのはが仕込んでおいたバインド、レストリクトロックによって拘束される。
「今度はこっちの番!全力全開!スターライト…」
なのはは空間に残った残留魔力をレイジングハートに収束させる。その中にはフェイトは放ったフォトンランサー・ファランクスシフトの分も含まれていた。
[starlight breaker.]
「ブレイカァァァァァー!」
桜色の砲撃は海を割く勢いで放たれる。フェイトは咄嗟にバリアを展開するが、あっという間に砕かれ、スターライトブレイカーの直撃を受け、落下する。なのははそれを抱きかかえ、空へ飛ぶ。

「…私、負けちゃったんだ……」
意識を取り戻したフェイトは五つのジュエルシードをなのはに渡そうとするが、またもや暗雲が広がり、
「危ない!」
フェイトはなのはを突き飛ばすと、紫色の雷を受ける。その一撃は凄まじく、バルディッシュは小破してしまう。そして、ジュエルシードは暗雲に呑み込まれる。

「流石に、もう無理ね…」
術を放ったプレシアは吐血しながら言う。

「座標確認!時の庭園内、転送準備!」
アースラでは、プレシア逮捕の準備が始まり、局員は時の庭園へ転送される。
「ご苦労さま、高町さん。フェイトさん、今から貴方のお母さんが逮捕されますが、別の部屋で待っていますか?」
「…いいえ、ここで大丈夫です。」
リンディの質問に、手枷を着けられたフェイトは答える。
「プレシア・テスタロッサ、ロストロギア不正所持の容疑で逮捕する!」
プレシアは局員に囲まれるが、
「うるさいわね。」
広域魔法で周囲を囲う局員を倒してしまう。その時、
「なんだこれは!」
時の庭園を捜索していた局員があるものを発見する。そこには、フェイトによく似た幼い少女が何かの培養液の中で浮いていた。
「っ!?」
フェイトは驚く。
「私のアリシアに、手を、出さないで!」
プレシアは局員の頭部を掴み投げ飛ばし、広域魔法でなぎ払う。
「アリ……シア?」
フェイトは困惑する。
「プレシアは魔導実験の時に、娘のアリシアを事故で失ったの。その実験は記憶転写と死者蘇生の実験で、フェイトって名前は当時のプロジェクトの名前なの。」
「よく調べたわね、その通りよ。全てはアリシアの、私の娘のため。アリシアはいい子だったわ。時々我が儘も言うけど、元気で優しい子だった。だけど、記憶転写で作った偽物は所詮偽物。性格も利き腕も魔力資質も、全然違う作り物。」
「やめて!お願いだから…」
プレシアの説明になのは泣きながら言う。
「いいことを教えてあげるわ、フェイト。私はあなたを作った時からずっと、あなたのことが…」
「やめてぇぇぇ!」
なのはは叫ぶが、
「だいきらいだったのよ…」
プレシアは禁断の言葉を口にする。
「っ………………」
その言葉を聞き、フェイトは意識を失う。彼女の心とバルディッシュは、砕け散った。
to be continued.

次回予告
ついにプレシアさんが行動を開始。その時、フェイトちゃんは─次回『悲しい運命が、終わる時なの』リリカルマジカル、頑張ります。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧