夢幻水滸伝
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第七十四話 南からその五
「懐に島津斉彬言行禄、南洲翁遺訓があるでごわす」
「その三つがでごわすか」
「あるでごわす、ほなおいどんは」
「うむ、間違いなく星のモンでごわすな」
「そのこと認めるでごわすか」
「そうさせてもらうでごわす」
その二才が最初に北原の前に控え他の二才達もだった。
北原の前に控えてだ、こう言った。
「おはんのお力わかりました」
「これからはおいどん達の命預けもっそ」
「是非この世界救って下さい」
「そうして欲しいでごわす」
「わかったでごわす、ではまずは薩摩を統一してでごわす」
北原は二才達の言葉を受けて言った。
「そして大隅、日向とでごわす」
「統一していくでごわすか」
「そうするでごわすか」
「島津様みたいにしていきもっそ」
戦国時代の島津家を思いつつだ、北原は言った。
「そうしていきもっそ」
「島津様も薩摩の守り神でごわす」
「あの家の方々は」
「それで、でごわすか」
「今からでごわすか」
「攻めていくでごわす」
こう言ってだ、北原は早速二才達に戦の用意をしていった。薩摩隼人達は話し合いよりも相手の強さを見てそれで認める、このことを知っているからだった。
北原は戦が多くなると見てそうした、そしてその通りとなり。
次の日からだった、北原は自ら陣頭に立ち戦をしていった。そうしてまずは鶴丸城の周りの諸勢力をだった。
一つ一つ倒して降していった、時には攻められたが常に返り討ちの形で逆に降していった。そうして瞬く間にだった。
北原は薩摩だけでなく大隅も統一した、そしてそのうえでだった。
政を行った、その政は農業も商業も積極的に行い治安も徹底させたものだった。その結果二国は見る見るうちに豊かになり。
二国の者達は驚いてだった、鶴丸城から治める北原に言った。
「まさかこれ程までとは」
「思いも寄りませんでした」
「戦だけじゃなくて政もですか」
「ここまで凄く出来ますか」
「ううむ、どうもでごわす」
北原は鶴丸城において薩摩と大隅の者達に応えた。
「おいどんは戦よりも」
「政ですか」
「そちらの方が得意ですか」
「そう言われますか」
「その様でごわす」
こう言うのだった。
「これは神具の力もあるでごわすか」
「島津候の言行禄と西郷どんの遺訓」
「その二つですね」
「その二つがあるから」
「だからですか」
「政も出来るとですか」
「そうかも知れんでごわす」
こう言うのだった。
「あっちの世界では普通の高校生でごわすからな」
「学生でごわすな」
「棟梁はあっちの世界ではそれでごわすな」
「けどここでは棟梁どんになりもして」
「それで、でごわすな」
「政見事に出来ておりますか」
「どうも見えるでごわす」
北原は腕を組んで述べた。
「何処をどうすればいいか」
「それで、ですか」
「今みたいに出来ちょりますか」
「そうでごわすか」
「それが神具の力でごわすか、そういえば西郷さんも」
北原は自分が尊敬するこの偉人のことにも言及した。
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