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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百八十五話 秋の二大イベントその四

「浴衣姿で胡坐かいてラッパ飲みしていたらしいし」
「日本酒を」
「そうらしいんだ、それで浴衣も乱れて」
「それは」
 小夜子さんは僕の今の話にお顔を赤らませさせて批判する様に言った。
「よくないです」
「女の子としてだね」
「はい」
 どうにもというのだ。
「やはり女性ですと」
「身だしなみにはだね」
「例え酔っていましても」
 それでもというのだ。
「身なりはです」
「乱れない様にしてだね」
「していかないといけないです」
 本当にというのだ。
「そこは」
「そうだよね、もう胸とか脚とかね」
「まさか」
「あっ、ギリギリだったらしいけれど」 
 幸い見てはいけないもの具体的に言うと下着を見た子はいなかった。少なくとも男子ではそうした子はいなかった。言ってないだけかも知れないけれど。
「見えなかったらしいよ」
「それはいいですが」
「まあそれでもね」
「かなり乱れていましたか」
「あそこは代々らしいから」
 大酒を飲んで乱れるのがだ。
「合宿の夜は浴衣だけれどね」
「その浴衣姿で飲んで」
「服が乱れるとね」
「私はそこまで見ていませんでしたが」
「そういえば小夜子さん飲んでも変わらないね」
「はい、昔からです」
「ずっと静かに飲む方だね」
「乱れないです」
 自分でも言うのだった。
「そう心掛けていますし」
「それはいいことだね」
「酒乱はよくないです」
 くれぐれもというのだ。
「やはり」
「それでお酒を飲んでもだね」
「乱れない様にしています、ただ食べる量は」
 飲む量だけでなくだ。
「自分でもかなりだと思います」
「牡蠣もだね」
「本当に好きなので」
「じゃあ文化祭の時はね」
「牡蠣もですね」
「楽しみにしていて。あと柿もね」
 僕はこちらの『かき』の話もした、これは半分駄洒落だったけれど同じ秋の味覚だから話に出したのだ。
「楽しんでね」
「柿もですか」
「山の方もね」
「広島にも柿はありますが」
 日本名産で何処でもあるものだと思う。
「山に行けば」
「牡蠣も柿もだね」
「はい、ですが」
「ですが?」
「広島の柿は然程有名ではないです」
 そうではないというのだ。
「残念ですが」
「柿の一番は奈良かな」
「あちらですね」
「もう奈良県っていえばね」
 それこそだ。
「柿だからね」
「柿の葉寿司もありますし」
「もう本当にね」
 僕も思うことだ、このことは。
「奈良といえば柿だよ」
「それ程有名ですね」
「お素麺と並んでね」
 三輪素麺だ、僕も好きだけれど畑中さんも大好物で夏の冷えた三輪素麺は最高のご馳走の一つだとまで言われている。 
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