八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百八十五話 秋の二大イベントその三
「楽しみです」
「色々あるけれどそれがかえって」
「そうなっています」
楽しみにというのだ。
「うきうきとさえしています」
「それは何よりだね」
「はい、八条学園は茶室もありますし」
「そうそう、立派な茶室がね」
高等部の中にあるのだ、そんな学校も少ないんじゃないだろうか。他には天理高等学校も立派な茶室があるという。
「僕も去年行ったよ」
「文化祭の時に」
「それでお茶をご馳走になってね」
「お菓子もですね」
「うん、そっちも楽しませてもらったよ」
「あの和菓子はです」
茶道のお菓子は和菓子だ、お抹茶なのでこれは当然だ。
「料理部が作ってくれるそうで」
「そうなんだよね」
「ですから」
「お菓子も楽しみだよ。勿論お花も踊りもね」
「どれもですね」
「楽しみだよ」
こう小夜子さんに話した。
「どれも」
「それは何よりですね」
「秋は楽しみだよ、農業科なんてね」
うちの学園の文化祭は高等部も中等部も同時にやる、高等部だと僕達のいる普通科だけでなく商業科、工業科、農業科、水産科、看護科と全学科が同時に行う。
「もう凄いから」
「出すものがですか」
「食べものがね」
もうそれこそだ。
「これでもかって出るから」
「これでもかですか」
「出て来るんだ、お野菜に果物にお肉に」
「多いですね」
「ハムやソーセージなんてね」
もうそれこそだ。
「山みたいに出るから」
「そこまでありますと」
山みたいにと聞いてだ、小夜子さんはこう言った。
「ビールもあれば」
「酒盛り出来るよね」
「ドイツの様に」
「まあ学校の中だから飲めないけれどね」
幾ら八条町でもだ、流石にそれは出来ない。
「それでもお家に帰ればね」
「ビールと一緒にですね」
「楽しめるよ」
「素晴らしいですね」
「ベーコンもあるし」
ハムやソーセージがあるならこちらも当然としてだ。
「水産科だと魚介類で」
「お刺身も」
「出るよ」
もう言うまでもなくだ。
「そちらも」
「それは何よりですね。では」
ここで小夜子さんはこの魚介類の名前も出した。
「牡蠣もですね」
「うん、出るよ」
「牡蠣は大好きです」
「広島生まれだから」
「はい、広島の名産です」
広島県といえば水産だとその名物は牡蠣だ、瀬戸内海で育った牡蠣はもう絶品と言っていい。実に美味い。
「何といいましても」
「そうですね、合宿でも食べました」
「あの牡蠣は美味かったね」
「そうでしたね」
小夜子さんはにこりと笑って答えてくれた。
「私もかなり食べました」
「新鮮でね」
「量も沢山あって」
「何か軽音楽部の女の子はね」
僕は小夜子さんに笑って彼女達の話をした。
「いつも凄く飲むけれどね」
「合宿の時もですね」
「うん、牡蠣を食べてね」
そしてなのだ。
「浴びる様に飲んでいたらしいよ、お酒を」
「そういえばどの方も凄く酔ってましたね」
「そうだったね」
「他の部活の方々よりも」
「あそこは女の子達の中で一番飲むかな」
僕は知っている限りではだ。
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