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八条学園騒動記

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第四百九十一話 強過ぎる主人公その一

               強過ぎる主人公
 アルフレドはビアンカを探した、するとすぐに先程言っていたゲームに興じている双子の妹を見た。
 すると妹の方から兄に気付いてプレイしつつ言ってきた。
「何処行ってたの?」
「知り合いの人と会ってな」
「その人とお話してたの」
「いや、ゲーム観てた」
「その人がやってる」
「そっちに行っていた」
「そうだったのね」
 ビアンカもこれで納得した。
「わかったわ」
「別に何も思わないんだな」
「私もゲームに夢中だったし」
 言いながら今もプレイしている。
「こうしてね」
「そうか、しかしな」
「しかし?」
「その主人公強いな」
「これ加藤清正よ」
 見れば馬に乗り十字槍を縦横に振るい飛び道具まで出してそのうえで画面の敵を蹴散らしていっている。
「恰好いいでしょ」
「そうだな、しかし強いな」
「最初からフル装備ではじまるしね、攻撃力と防御力もね」
「高くてか」
「しかも素早くて」
 見ればその動きは敵よりはかなり速い。
「この通りね」
「いきなり強いか」
「もうパワーアップアイテム必要ないのよ」
「最初からか」
「最初からマックスで強いから」
 こう言っていいまでというのだ。
「もうゲームがね」
「進みやすいか」
「というかこのキャラでやられたら」
 それこそというのだ。
「もうシューティングの素質ないわ」
「そこまでか」
「だってね」
「そこまで強いからだな」
「敵も弱いし」
「そういえばどの敵も一撃だな」
 色々な種類の敵が画面に出て来るが片っ端から薙ぎ倒されている。
「倒されているな」
「そうでしょ、何でもね」
「何でも?」
「史実の強さを忠実に再現したっていうから」
「製作スタッフの人がか」
「こう主張してね」
 それでというのだ。
「この強さなのよ」
「そうだったのか」
「実際加藤清正って大暴れしたし」
 朝鮮戦役で第一に活躍した、その為韓国ではこの時代でも国土を焦土にした大悪人と呼ばれている。
「この強さなのよ」
「韓国の文明を根絶して国全体を焦土にしてだったな」
「戦の余興で虎を狩り尽くしたね」
「本当じゃないだろ」
「実際はただ勝っていただけだったけれど」
 本来の史実ではそうである、虎を狩ったことは事実でも狩り尽くしてはいない。
「韓国側が言うにはってね」
「そう言ってか」
「この強さなのよ」
 そうなっているというのだ。
「それでゲーム史上最強に強い主人公」
「そう言われているんだな」
「何しろ初心者がプレイして」
 そうしてというのだ。
「ノーミスでクリア出来るから」
「そこまで強いか」
「そうなの、この通りね」
「無敵か」
「無敵に近いのよ」
「そんなゲームもあるんだな」
「まあ出来た経緯が経緯だし」
 そこから話すビアンカだった。 
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