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夢幻水滸伝

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第七十三話 荒波を見てその三

 そうして大きくなっていったがここでだった、正岡は土佐の中央部を掌握し後は東か西に進む時になって周りの者達に言った。
「しっかし土佐は小さな豪族が多いぜよ」
「そのことですね」
「一つの町や村にいる様な」
「そうした豪族が多いですね」
「そうぜよ、それで小さな連中が喧嘩してるぜよ」 
 そうした国だというのだ。
「だから戦になってもすぐに降せるにしても」
「その数も多いので」
「だからですね」
「面倒ではありますね」
「それが難儀ぜよ、話で降る奴はええが」
 それでもというのだ。
「戦でないと降らん奴もいるぜよ」
「棟梁にとっては不本意ですが」
「そうした豪族もいますね」
「どうしても」
「難儀ぜよ、それでも土佐の真ん中は抑えたぜよ」
 それが出来たことにだ、正岡はまず喜んだ。そうして酒と肴である鰹のたたきを楽しみつつ言うのだった。
「後は東か西に進むぜよ」
「そうしますか」
「今度はですね」
「そうしていきますか」
「まずは西ぜよ」
 そこを攻めるというのだ。
「四万十川の辺りを抑えてあそこでよおさん米作るぜよ」
「そうしますか」
「あの川を抑えて」
「そうしますか」
「貿易も大事じゃが米もぜよ」
 この世界の日本でも主食であることはというのだ。
「だからぜよ」
「はい、では次はですね」
「西に進みますね」
「そうして四万十川を手に入れますか」
「そうするぜよ、では人をやっていくぜよ」
 西についてもまずは政を以て進む正岡だった、そうした話をしつつ彼は土佐の港をよく見ていた。港の漁船は増えていて。
 商いの船も増えていた、その船は四国や近畿の船もあったが。
 東国や日本以外の国からの船も目立ちだしていた、彼はその状況を見て言った。
「いい感じぜよ、このまま港を大きくしていって」
「そうしてですね」
「他の国からの船がさらに増える様にして」
「さらに儲けますか」
「そうしていきますか」
「そうするぜよ」
 まさにと言うのだった。
「このままいくぜよ」
「わかりました」
「じゃあ港はどんどん拡充していきましょう」
「漁港としてだけでなく貿易港としてもです」
「充実させていきましょう」
「そうするぜよ、日本は西だと堺と神戸、長崎が貿易港として栄えちょるが」
 他国との貿易である、戦が絶えない世界であるがそれでも貿易は盛んで商人達は戦とは別に商売に励んでいるのだ。
「そこに加えてぜよ」
「土佐もですね」
「この港でもですね」
「貿易が出来る様にしていきますね」
「そうぜよ、あとロシアとの貿易で新潟もいいぜよ」
 正岡はそちらにも言及した、土佐からかなり離れている国であるがだ。
「蝦夷もええがのう、そして関東だとやっぱり横浜ぜよ」
「あそこですか」
「あそこでも他国と貿易をして」
「そうして儲けていきますか」
「そうぜよ、国内を治めて貿易もして」
 その二つを共に行ってというのだ。
「日本は豊かになって太平洋を統一してぜよ」
「そして太平洋もですね」
「この海に面している国全部がですね」
「貿易して豊かになるぜよ」
 今もこう言うのだった。
「そこからはじめるぜよ、とにかく豊かになることぜよ」
「世界を救うには」
「そこからですね」
「だから今もですか」
「港をよくしていきますか」
「そうぜよ、ただ土佐を統一してもぜよ」
 それでもとだ、ここでこうも言った正岡だった。 
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