八条学園騒動記
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第四百九十話 強いラスボスその十二
「さらにですね」
「まためくりよ」
「その連続技ですね」
「これを繰り返して」
そうしてというのだ。
「やっつけるかよ」
「そういうのしかないですか」
「そう書いてあったわ」
「本当に強いラスボスなんですね」
「隠しラスボスなのよ」
嘉納治五郎、彼はというのだ。
「表向きのラスボスまで一回もラウンド取られずにクリアしたら」
「出て来るんですか」
「そうしたら出て来て」
「滅茶苦茶強い」
「そうなのよ」
「それで倒したら」
「真のエンディングなの」
そうなるというのだ。
「それぞれのキャラのエンディングとは別にね」
「真のエンディングが観られるんですね」
「それがまた派手なのよ」
「強いキャラ倒しただけあって」
「そうなの、詐欺の強さだけれど」
詐欺めいた、ではなく詐欺そのものだった。
「それでもね」
「いいエンディングですか」
「しかも倒したら公式に名前残るし」
「それもいいですね」
「つまりそれだけの強さなのよ」
真のエンディングが出て公式にノミネートされる程のだ。
「そこまで強いのよ」
「何か普通のラスボスの影が薄いですね」
「ゲームの常でしょ」
ジャンルに関わらず、というのだ。
「それは」
「まあそれは」
「そうでしょ」
「言われてみれば」
そうだとだ、アルフレドも思い当たるふしがあって部長にこう答えた。
「そうですね」
「こうしたことはね」
まさにというのだ。
「ゲームの常で」
「RPGでもそうですね」
「ラスボス倒してやったと思ったらね」
「真の黒幕登場ですね」
「そう、お決まりよ」
まさにというのだ。
「ラスボスが一種類でも正体出すとか」
「どのジャンルもですね」
「というか普通に終わるゲームってね」
「あんまりないですね」
「そうでしょ、ラスボスは正体を表すか本気を出すか」
「真のラスボスがいるのよ」
「それが常でそうじゃない方が」
「珍しい位よ」
これは二十世紀末からの傾向であろうか、ラスボスを倒した後に隠しダンジョンで戦うというケースもある。
「私がやってきたゲームでもそうだったし」
「大抵のゲームで、ですね」
「ラスボスを倒したら」
そこからというのだ。
「真のラスボスが出て」
「それか正体を表す」
「そんなのよ」
「そのゲームは違うみたいですね」
アルフレドは今倒されようとしているラスボスを見つつ部長に尋ねた、見れば敵のライフはあと少しだ。
「どうやら」
「いやいや、十六面のボスがね」
「ラスボスって言われていてですか」
「そこからボス総登場になるから」
その展開になるからだというのだ。
「このゲームもね」
「そうなりますか」
「表のボスはね」
十六面のボスでというのだ。
「それで今倒そうとしているのがよ」
「真のラスボスですか」
「この鬼みたいに強いのがね」
「そうなんですか」
「そう、そしてね」
「そしてですか」
「このラスボスはあまりにも強くて」
また一撃加えてからの言葉だ。
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