八条学園騒動記
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第四百九十話 強いラスボスその十一
「はまるのよ」
「あっ、起きる時に隙があって」
「そう、そこにまた足払いとかをかけたら」
「またこけるんですね」
「これでいけるから」
「こけさせることですか」
「必死に頑張ってね」
そのうえでというのだ。
「それでやることがね」
「唯一の攻略法ですか」
「嘉納治五郎さんのね」
そのゲームのラスボスである彼の、というのだ。
「本当に数少ない」
「攻略法ですか」
「まともに正面からぶつかって倒せる人なんて」
部長はアルフレドに目を顰めさせつつ話した。
「天才よ」
「さっきお話したですね」
「そうした人よ」
まさにというのだ。
「本当にね」
「そんなに強いんですね」
「ええ、背は本気出したら三メートルになるし」
「巨大化するんですか」
「一回倒したらそうなると」
本気を出してというのだ。
「そうしたら攻撃力、防御力、スピードが倍になるのよ」
「只でさえ鬼みたいに強いのにですか」
「もっと強くなってね」
それでというのだ。
「全身黒い魔闘気に襲われて目が赤く光るのよ」
「嘉納治五郎ってそんな人でした?」
「何でも最初は身体弱くて小柄だったらしいわ」
背は一六〇なかったという、だが当時の日本人の平均身長を考えると然程でもないのかも知れない。
「それがね」
「そんな風になったんですね」
「凄いでしょ」
「というかアレンジし過ぎていて」
「もう別の人でしょ」
「幾ら柔道の創始者でも」
このことで歴史に残っていてもというのだ。
「チート過ぎますよ」
「そうよね、だからアレンジにも程があるって言われていたわ」
「それはそうですね」
「このボスはまだ倒せるの」
また攻撃に転じていた、そのうえでの言葉だ。攻撃は次々に命中してダメージを確実に与えている。
「普通にやってね」
「けれどその嘉納治五郎さんは」
「普通に倒せないから」
「転がせたところをはめないとですね」
「所謂転ばしはめね」
「それにしないとですか」
「気絶も異常にしないし。あとね」
部長は他の攻略法も話した。
「それぞれのキャラの連続技ね」
「めくり攻撃とか使って」
相手を飛び越えての攻撃だ、相手はまだこぢらを向いているが攻撃判定が背中にあるのでそうした名前になったのだ。ジャンプの範囲によって出来る攻撃でそれなりの熟練を要求される攻撃でもある。
「それで、ですか」
「そういうのを使ったね」
「連続攻撃ですね」
「例えばめくり大キックから」
そのめくり攻撃の代表の一つだ。
「二段当たる至近の大キック、それキャンセルで」
「止めのですね」
「大のアッパー系の必殺技ね」
主に対空となるこの技でというのだ。
「これを決めてね」
「一気に大ダメージを与えるんですね」
「流石に自分の背中まで攻撃しないから」
「めくりは有効ですか」
「そう、だからそれを使って」
そのうえでというのだ。
「大ダメージを与えて」
「それでふらつかせた後に」
俗にピヨリという。
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