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夢幻水滸伝

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第七十二話 荒んだ心その十

 二人の下に馳せ参じた、その中には島の諸勢力もあり。
 二人の勢力は安芸の他の勢力を圧倒するまでになった、だがここでだった。
 井伏は山本に広島城で話した。
「ここからじゃ」
「安芸を統一するのはのう」
「今わし等は安芸で第一の勢力となったが」
「しかしじゃな」
「他の勢力はそれを見てじゃ」
「反発しだすのう」
「それでそれぞれ手を組んだりしてあたろうとするわ」
 井伏はこれから安芸の他の勢力が自分達にそうすることを呼んでいた。
「言うなら連衡じゃ」
「同盟を結び合って一つの敵にあたる、じゃな」
「そうしてくる、だからな」
「ここはじゃな」
「そうじゃ、そうされる前に動くことじゃ」
 井伏は腕を組み胡坐を組んだ格好で自分の前で同じ格好になっている山本に話した。
「まずはのう」
「そうじゃな、それではじゃ」
「攻めていこうかっていうんじゃな」
「そう言うところじゃが違うのう」
 山本は井伏に不敵に笑って返した。
「そうじゃな」
「そうじゃ、戦をするよりもな」
「安芸の小さな勢力でわし等と隣接してるとこからか」
「どんどん人をやってじゃ」
 そうしてというのだ。
「こちらに入る様に誘いをかけていってな」
「こっちに組み込んでいくんじゃな」
「そうじゃ、戦をするよりもな」
「まずはそうしていくんじゃな」
「戦わずして勝てたらええじゃろ」
 勢力を軍門に降していけばというのだ。
「それでじゃ」
「他の勢力に使者送ってくか」
「その勢力の所領とかを安堵するって条件でな」
「どんどん組み込んでくな」
「それで従わん勢力をな」
 誘いに降らなかった者達はというのだ。
「攻めて降していくんじゃ」
「そうしていくか」
「その際はわし等のどっちかが出る」
「わしかこんながか」
「そうじゃ、星の奴のどっちかが攻めるんじゃ」
 そうするというのだ。
「そのうえでな」
「一人がここを守るんじゃな」
「そうしていく、それでどうじゃ」
「そうじゃな、領地を守りながらな」
「政もしていくんじゃ」
 領地へのそれをというのだ。
「ええのう」
「わかったわ、とはいってもわしはどうもじゃ」
 政のことに話がいくとだ、山本は難しい顔になって述べた。
「あまりのう」
「得意でないっちゅうんか」
「ああ、頭が悪いからのう」
「それ言うたらわしもじゃ」
 井伏は山本に笑って返した。
「実は政はあまり得意じゃないわ」
「こんなもじゃな」
「そうじゃ、しかしな」
「それでもか」
「やることはやらなじゃ」
 政、それもというのだ。
「仕方ないわ」
「国が治まらんな」
「また内政が出来る星の奴を見付けてな」
「そいつに任せるまではか」
「わし等で領国の政を先頭に立ってやってくぞ」
 戦を行うと共にというのだ。
「ええのう」
「ああ、やらな仕方ないしな」
「やってくぞ」
「そうさせてもらうわ」
 山本も頷いた、そうして二人は安芸で勢力拡大に取り掛かった。降る勢力は多く使者をやるよりも自分達から降る勢力もあった。 
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