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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百八十二話 港とヤクザその六

「日本でもだし」
「そうした話は何処でもあるしね」
 僕もこう返した。
「風俗産業とかやっぱりね」
「ヤクザ屋さん関わってるよね」
「うん、親父そうした場所も好きだし」
 そこで女の人とも遊ぶのだ。
「お店には入るよ」
「そうした人達が関わってる」
「うん、けれどね」
 それでもだ。
「お客さんとして出入りするだけで」
「関わりはないんだ」
「お客さん位ならじゃない」
「まあそれ言ったら誰でも関わりあるね」
 ヤクザ屋さんに関わりがあるお店に入ってそれでヤクザ屋さんと関わりがあると考えるとだ。若井君も言った。
「本当に」
「映画会社だって昔はそうだったし」
「ああ、裏方の人はね」
 撮影の時に周りにいて観ている人達が撮影の邪魔にならない様にしていたのだ。その他にも色々と裏方の仕事をしていたのだ。
「そうだったらしいね」
「お寺や神社も関わりあって」
「それ僕も聞いてるよ」
「賭場とかテキ屋でね」
「関わりあったんだよね」
 江戸時代には八条家も公卿だったのでお屋敷で賭場を開いていたしこの頃は関わりがあったといえば深いものがあった。
「そうだったね」
「うん、野球のチケット売るにもね」
「ヤクザ屋さんが関わってて」
 所謂ダフ屋さんだ。
「選手の獲得にもだったね」
「よく知ってるね、僕もその話聞いたけれど」
「だからうち神戸でね」
 若井君は自分の住んでいるところの話をした。
「親戚の人港のすぐ傍で居酒屋してて」
「ああ、港だから」
「そう、港だからね」
「人足斡旋でね」
「あの組が関わっていたし」
 神戸を拠点にする某全国規模の暴力団はここからはいzまっている。
「それでね」
「だからだったね」
「そう、親戚の人からも聞いてね」
「その居酒屋をやってる人から」
「そうした話も知ってるんだ」
「ヤクザ屋さんの仕事とかも」
「まあうちの親戚は関わりないけれど」
 そのヤクザ屋さんとはだ。
「それでもね」
「やっぱり色々聞いて」
「あまりいいとは思わないよ」
「だからあの映画の曲を聴いてもなんだ」
「何かって思ったよ」
 それでびっくりしたというのだ。
「最初のインパクトもあって」
「曲のね」
「本当に。けれど部長さんがただあの曲好きなだけなら」
「いいんだね」
 こう若井君に尋ねた。
「それだけなら」
「いいよ、ただね」
「ただ?」
「いや、港って昔は本当にね」
「ヤクザ屋さんと関係が深かったね」 
 僕もこう返した。
「呉にしても」
「博多とかもそうだよね」
「栄えている港町はどうしてもね」
「ヤクザ屋さんが幅を利かせてたんだよね」
「そうだよね」
「その人足でね」
 その斡旋でだ。
「そうだったんだよね」
「うん、けれどね」
 僕もこう返した。
「今は違うからね」
「もうかなりね」
「そう、排除されたっていうかね」
「追放されてるから」
 所謂暴力団新法とその前からの社会の流れでだ、若井君も言った。 
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