八条学園騒動記
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第四百九十話 強いラスボスその六
「それでね」
「ミサイルはなくて」
「硬派なゲームよ、3Dでね」
「ああ、3Dのゲームですか」
「敵は前からも横からも後ろからも来るの」
「周り見るの大変そうですね」
「当時の戦車戦を実体験出来るの」
そうしたゲームだというのだ。
「だからリアルでね」
「面白いんですね」
「そうよ、敵も強いけれど」
「ドイツ軍も強いですか」
「特に最終ステージでは」
ベルリンを舞台としたそこではというのだ、
「もう鬼よ」
「鬼みたいに難しいですか」
「そうなの、けれどね」
「面白くて」
「最後はね」
「ヒトラーが自殺するんですね」
「その時がまたいいのよ」
そのシーンがというのだ。
「もうね」
「どういいんですか?」
「堂々としているのよ」
「ヒトラーが」
「主人公が自分の前で戦車で出て来るけれど」
「その主人公にですか」
「傲然と席に座ったまま色々言って」
そうしてというのだ。
「そのうえで頭の横に拳銃をやって」
「そうしてですか」
「その拳銃を撃ってね」
「自殺するんですね」
「そうして死ぬけれど」
「その言うことと姿勢がですか」
「凄く堂々としているのよ」
そうだというのだ。
「それで恰好よくてね」
「悪人でもですね」
「堂々と悪の美学を語るの」
もっと言えばナチズムの考えを言ったのだ、連合ではナチズムは悪になるので必然的にそうなるのだ。
「それで敵に捕まらないってね」
「そう言ってですか」
「これがドイツ第三帝国総統の死だと言って」
「自殺するんですか」
「それで終わるけれど」
「そこにまだ何かあるんですか」
「ヒトラーが死んだ直後に歓声が外から聞こえてくるの」
そうなるというのだ。
「連合軍の勝利を祝ってね」
「そうですか」
「凄い演出でしょ」
「何かお話を聞きますと」
実際にとだ、アルフレドも答えた。
「最高に恰好いい演出ですね」
「そうでしょ、そのエンディングが人気があるのよ」
「そうですか」
「そう、そしてね」
「部長さんもお好きですか」
「そのエンディングがね」
「そうなんですね、何か話を聞いていたら」
アルフレドは部長の説明から述べた、その間に部長のゲームは最後の最後つまりラスボスにまで到達していた。
とんでもなく巨大な戦艦しかも空母らしく艦載機も繰り出してくる、まさに嵐の如き攻撃を行っている。
その攻撃に素早い動きで向かいつつだ、部長は言うのだった。
「プレイしたくなったでしょ」
「はい、俺も」
「それならゲームセンターで見付けたら」
「プレイすることもですね」
「いいわよ」
実際にというのだ。
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