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八条学園騒動記

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第四百九十話 強いラスボスその四

「だからね」
「あそこまでの人間になったんですね」
「そうよ、残念ながらね」
「若しヒトラーが絵の才能を認められていたら」
「歴史は変わったわね」
「そうですよね」
「向こうはスターリンを言うけれど」
 エウロパはこちらの方を悪く言う、連合ではロシアのもっと言えばグルジアの人間なので評価は甘いところもある。
「ヒトラーはね」
「悪の天才ですね」
「独裁と嘘、扇動のね」
「その三つも天才だったから駄目なんですね」
「ええ、そうなるわね」
「因果な話ですね」
「本当にね」
 言いつつだ、部長は十三番目のボスも撃破した。このボスもかなり強かったがそれでも部長は倒した。
 そして次のボスに向かいつつ言うのだった。
「ヒトラーはね」
「美術大学に合格して」
「絵の才能を開花させていたらね」
「芸術の天才ですか」
「そっちはそこまでじゃなかったみたいよ」
「普通に才能あっただけですか」
「やっぱり独裁とかの天才だったのよ」
 ヒトラー、彼はというのだ。
「小さな政党にふらっと入ってね」
「あっという間にですね」
「十五年で政権よ」
 一九一九年にドイツ国家労働者党即ちナチスに入りそうして一九三四年に首相になっている、翌年には総統になっている。
「凄いでしょ」
「まさに天才ですね」
「そう、そっちの天才だったのよ」
「絵の才能があっても」
「それだけだったのよ」
 ただ才能があるだけだったというのだ。
「残念ながらね」
「本当に残念ですね」
「ゴッホやピカソみたいだったら」
 ヒトラーが彼等の様までの才能、天才と言うべきのというのだ。ただ二人共天才ではなく異才と言うべきかも知れない。
「よかったのにね」
「そうですね」
「ヒトラーでなかったら」
 若し二次大戦前のドイツの指導者が彼でなかったらだ。
「どうなってたかしら」
「それでスターリンも出なかったら」
「本当に違っていましたね」
「よくなっていたかもね」
「それもかなり」
 この二人が世界史に出なければというのだ。
「どっちも凄かったから」
「小説でもゲームでも悪役ですし」
「このゲームには関係ないけれど」
 それでもというのだ。
「私もヒトラーが悪役のゲームやったことあるわ」
「そうしたゲーム多いですよね」
「二次大戦ものでね」
「ナチスも」
「二次大戦舞台の小説なんて」
 その時代を描いた戦記ものはというのだ。
「もう大抵ナチスが悪役ですね」
「それかソ連ね」
「どっちもって場合も多いですね」
「もう定番ね」
 ナチスとソ連、ヒトラーとスターリンが悪役であることはだ。
「それこそ」
「そうですね」
「それで最後は絶対にね」
「倒されますね」
「どっちもね」
 そうしてハッピーエンドになるのだ。
「そうなるわね」
「今の時代も出ますしね、ナチス」
「エウロパの正体とかね」
「エウロパに復活とか」
「政党としてね」
 この場合はエウロパ国家社会主義労働者党となる、旗もそのまま赤地に白と黒のラインがあるハーケンクロイツだ。 
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