八条学園騒動記
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第四百九十話 強いラスボスその三
「思ってるのよ」
「そうですか」
「才能があったり努力を努力と思わなかったり」
「閃きもですか」
「ないのよ、だからゲームをしても」
それでもというのだ。
「何度もコンテニュ―したりね」
「改造コードを使って」
「やってね」
そうしてというのだ。
「地道にやって地道って思うのよ」
「思ってもですか」
「天才じゃないんでしょうね」
「上手ですけれどね」
「上手でもね」
丁度十二番目のボスを倒しての言葉だ。
「天才じゃないのよ」
「本当に天才は凄いんですね」
「才能があるところに突き抜けてるのよ」
そうなっているというのだ。
「まあ世の中不要な才能の持ち主もいるけれどね」
「いらない才能ですか」
「悪いことをすることについてね」
「泥棒とかですか」
「あと嘘とかね」
そうした悪事の方にというのだ。
「才能がある奴もいるわね」
「嘘吐きの天才ですか」
「平気で。それこそ眉一つ動かさずにね」
そのうえでというのだ。
「大嘘を幾らでも言える人がね」
「いるんですね」
「酷い奴なんてどれだけ人を騙しても」
自分の嘘でだ。
「何とも思わないのよ。息をする様に嘘を吐いても」
「息をですか」
「そうしてもね」
「平気ですか」
「それも全くね」
「倫理観がないんですね」
「そう、倫理観がなくて」
そうしてというのだ。
「嘘をね」
「次から次にですね」
「息をする様に言って」
文字通りにというのだ。
「人を騙していくのよ」
「そうした才能の持ち主もいますか」
「嘘を吐く天才がね」
「そうした才能はいらないですね」
「他に才能があれば」
その場合はというのだ。
「そっちに才能を開花すべきよ」
「それがいいですね」
「あと独裁の天才ね」
「ヒトラーですね」
「ああした才能もね」
「ヒトラーって嘘を吐くのも天才でしたね」
「世界一の嘘吐きって言われていたわ」
そのあまりにも狡猾な外交故にだ、オーストリアとチェコを併合しポーランドに攻めるまでのことを見て言われてのだ。
「実際にね」
「そうでしたね」
「演説の天才、統率の天才でもあって」
「しかもですか」
「嘘を吐く天才でもあって」
「独裁の天才だったんですね」
「何か実際は絵の才能もあったそうね」
美術大学には当時のウィーンの美術大学の芸術方針に合わなかったからだという、風景画も人物画も見事なものだった。
「デザインのセンスも人の能力を見抜く才能もね」
「才能はあったんですね」
「そう、沢山のね」
「そして独裁の才能もですか」
「天才だったのよ」
文字通りのというのだ。
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