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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百八十一話 体育祭が近付きその六

「ですが実際にです」
「戦前の軍隊は入隊基準厳しかったですからね」
「はい、徴兵制とありましたが」
「実際に徴兵検査に合格する人は」
「甲で合格でした」
 甲乙丙丁の四段階でだ。
「そこから品行方正な人だけを選んでいました」
「だから選ばれるだけで、ですね」
「凄いことでした」
 何でもクラスで一人か二人合格すればいい位だったらしい。
「そこまででした」
「それで士官学校とかはですね」
「もう学校の成績に身体能力に素行に」
「全部観られて」
「それで、でしたし。入隊しても」
「厳しい訓練とですね」
「軍律がありました」
 あのあまりにも有名な厳格極まる軍規軍律がだ。
「それで律されていましたが」
「今の学校の先生は違いますね」
「法律はあっても学校は治外法権になりやすいです」
 閉鎖された社会だからだ、警察は滅多に学校には入って来ない。だからいじめも起こったりするのだろうか。
「ですから」
「もうやりたい放題にもね」
「なります、日教組が幅を利かせてきたことも」
「そこに理由がありますか」
「はい」
 まさにという返事だった。
「閉鎖的かつ自然と崇められ」
「しかも律する規律もない」
「ですから」
「今もお話してくれたみたいな奴がですね」
「存在したりするのです」
「そうですか」
「はい、本当にです」
 まさにというのだ。
「ああした人は」
「それで畑中さんもですね」
「成敗しました」
「そうでしたね」
「社会的にも抹殺することになりました」
 教師の職も名誉も奪ってだ。
「そうなりました」
「そうなんですね」
「はい、しかしそれは氷山の一角で」
「他にもそうした先生が多いですね」
「世の中善人も悪人もいますし」
「どうしようもない悪人が先生をやっていることもですね」
「多くそうした人がです」
 隠されるというのだ、学校という閉鎖された空間の中で。
「多くいるのですから」
「難しいですね、しかし」
「しかし?」
「世の中はどうしようもない悪人もいます、そうした悪人達の中には生きることさえ許されない輩達もいます」
 畑中さんは時折厳しいことを言う、それは世の中の腐りきったもうどうにもならない悪人達についてだ。
「そうした者達はです」
「もう成敗するしかないですか」
「サイコ殺人鬼と話し合っても無駄ですね」
「そうですね、もう切り裂きジャックなんか」
 正体は今もわかっていないにしてもだ、何か読んでいると誰かがそうじゃないかということが書かれているがだ。
「それこそ会話をしても」
「出来る相手ではないですね」
「快楽殺人鬼かどうかわからないですが」
 切り裂きジャックがだ、中年の娼婦に恨みを持っていたのかどうか真実は不明だ。
「もうああした殺し方する人間は」
「それこそですね」
「話し合いとか」
「更生はないですね」
「切り裂きジャックはすぐに消えましたけれど」 
 このことも謎とされている、あまりにも急に姿を消したのでその正体が余計にわからなくなってしまっているのだ。 
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