八条学園騒動記
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第四百八十九話 ゲームセンターのゲームその十一
「結構ね」
「そうですね、言われてみれば」
「耐久力あるけれど攻撃してこなかったりとか」
「ただそこにいるだけで待ってると自爆するラスボスもいますね」
「戦っても案外弱かったり」
「一見強いですが致命的な弱点があったり」
「そんなラスボスもいるけれど」
何故かシューティング、アクションも含めたそうしたジャンルのゲームではわりかしあることだ。逆に格闘ゲームでは異常に強いラスボスが多い。
「このゲームのラスボスはね」
「強いですか」
「鬼みたいにね」
そうだというのだ。
「これがね」
「そんなに強いんですか」
「一回倒しても正体出してくるし」
「それよくあるパターンですね」
「外の装甲が剥がれて」
そうした演出の後でというのだ。
「真の姿、超巨大戦艦だけれど」
「その姿で、ですか」
「攻撃してくるのよ。何かティアマト級が」
連合軍の誇る巨大戦艦だ、艦隊を指揮する指揮艦でもある。
「パワーアップしたみたいな」
「正体はそんなのですか」
「耐久力二倍、攻撃も倍位激しくなって」
「強くなってるんですね」
「そうなの、最初から強いけれど」
それがというのだ。
「倍になるのよ、折角これまでのボスを倒してね」
「そうして辿り着いたら」
言うまでもなく全十六面をクリアしてだ。
「最後の最後にですか」
「とんでもないのが出て来るのよ」
「それでそのラスボスを倒したら」
「やっと終わりだけれど」
それでもというのだ。
「そのラスボスが強くてね」
「それで、ですか」
「最後の最後まで苦労するのよ」
「これまでも難しくて」
「ちなみにどのボスも強いわよ」
「弱いボスいないですか」
「一体もね」
それこそとだ、部長はアルフレドにこのことも話した。
「いないのよ」
「そのボスが十六体連続で、ですか」
「出て来て」
そしてというのだ。
「これまでの十六面波に難しいのよ」
「とにかく難しいゲームなんですね」
「難しくてね」
敵の攻撃を避けて攻撃を仕掛け次々に撃破しつつだ、部長は話した。プレイは最終面に入っても見事だ。
「それでね」
「それで、ですか」
「とても面白いのよ」
「面白いですか」
「難しいけれど」
それでもというのだ。
「それ以上によ」
「だから部長さんもやっておられますか」
「そうよ、今もね」
「そうですか」
「ええ、それでクリアするわ」
「今回もですね」
「そうするわ、観ていて」
自信に満ちた声でだ、部長はアルフレドに告げた。
「今からね」
「わかりました、それじゃあ」
アルフレドも頷いて応えた。
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