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夢幻水滸伝

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第七十一話 衝突その五

「それが出来る、わかったな」
「はい、ここで戦いましょう」
「敵がもう来ますが」
「防ぎましょう」
「そうするで、近江には玲子ちゃんがおるしや」
 芥川はこの国のことも話した。
「伊勢には佐藤兄妹の兄貴を向けた」
「あれっ、妹さんは」
「あの方は」
「あいつは播磨に向けて姫路城に入ってもらった」
 そこにというのだ。
「ひょっとしたらここで山陽も来るかも知れんからな」
「だからですか」
「ここはですか」
「播磨の守りも固めるのですか」
「そや、敵は一つの勢力だけが攻めて来るとは限らへん」
 芥川はこのことは強い声で言った。
「そやからな」
「播磨も守りを固め」
「そして備えますか」
「海もや」
 こちらもというのだ。
「伊勢の法も瀬戸内の方もな」
「両方ですか」
「守りを固められますか」
「ついでに淡路も抑える」
 この島もというのだ。
「あの島を抑えると瀬戸内の東も抑えるからな」
「そやからですね」
「あの島を抑えてですね」
「守りをさらに固めますか」
「あの島はこれといって強い豪族もおらん」
 芥川はこのことも既に知っていた、それで言うのだった。
「それでや」
「ここはですね」
「淡路を手に入れて」
「瀬戸内の東も押えますか」
「そうする、これを機に領国の守りを一気に固めるわ」
 こう言ってだった、芥川は金ヶ崎城だけでなくだった。その城から領国全体の守りを固めてだった。
 全ての勢力に備えたうえで北陸の軍勢を迎え撃った、北陸の軍勢は金ヶ崎城を囲み攻城戦を仕掛けてきたが。
 芥川は術に鉄砲に空船、そして自身の神具も使って敵を退けていた、そうしつつ兵達にこんなことを言った。
「飯や武器は後ろからどんどん来る」
「そやからですね」
「ここはですね」
「守ってですね」
「そうしてですね」
「そや、守りきるんや」
 こう言うのだった。
「ここはな」
「術や武器をふんだんに使って」
「そうして」
「こうした時に備えて道を整えててよかったわ」
 このことに今自分でよかったと思う芥川だった。
「道からどんどんものを運んでくれるからな」
「様々な場所から飯が来ますし」
「武器もですね」
「それで万全に戦えますね」
「そや、いざとなったら空船がある」
 道を塞がれて城を完全に囲まれてもというのだ。
「そっちもある、そやからな」
「それで、ですね」
「ここはですね」
「この城で戦っていきますか」
「これから」
「そや、このままな」
 まさにと言ってだ、そしてだった。
 芥川は戦の指揮を続け金ヶ崎城を守った、そして十日程度戦うとだった。城を囲んでいた軍勢は囲みを解いてだった。
 兵を退けていった、芥川はそれを見て言った。
「諦めか、ほな敵に隙があれば」
「そこで、ですね」
「攻めますか」
「ああ、そうするけどな」
 それでもと言う芥川だった。 
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