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夢幻水滸伝

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第七十一話 衝突その四

「それで、ですね」
「そや、忍がおったら防げた」
 芥川は自分から言った、自分の今の攻め方も通じなかったとだ。
「その時はまた別の攻め方してたけどな」
「それでもですね」
「城門は開いた、それでや」
「ここはですね」
「攻められる、とはいっても一気に本丸まで攻め入るけどな」
「そこからはですね」
「もう一度降伏勧告するか」
 こう言ってだ、そしてだった。
 芥川は兵を城の中に入れさせた、それから本丸を囲んで降伏勧告をすると敵の領主も遂に降った。こうして鳥取城は関西の勢力の手に落ちたが。
 ここでだ、芥川は鳥取城から西に兵を進める準備をさせようとしたがすぐに貝殻から太宰が連絡を入れてきた。
「恐れていた事態が起こりました」
「他の勢力がやな」
「はい」
 まさにというのだ。
「兵を進めてきました」
「そうか、何処がや」
「東海です」
 彼等がというのだ。
「近江に兵を進めてきました」
「そうか、来たか」
「そして北陸もです」
 東海と同盟を結び事実上一つの勢力になっている彼等がというのだ。
「若狭に兵を進めてきています」
「そっちも厄介やな」
「それでなのですが」
「すぐにやな」
「はい、東の守りを固め」
 そしてとだ、太宰は芥川に話した。
「彼等を退けなければなりません」
「わかった、ほな鳥取城から西に行くことは中断や」
「そしてですね」
「東で戦や、ただ今回の戦はな」
「これまでとは違い」
「ああ、守りや」
 攻めるのではなくとだ、芥川は太宰にこのことも話した。
「その戦になるわ」
「そうです、ではです」
「伊賀攻めも中断してな」
 それもというのだ。
「近江、そして若狭をな」
「守りますか」
「伊勢にも来るかも知れん」
 芥川はこの国での戦も有り得ると呼んでいった。
「伊勢は尾張、東海の拠点に隣接してるからな」
「だからこそですね」
「伊賀攻めは中断してや」
 そしてというのだ。
「伊賀に向けてる兵もや」
「伊勢と尾張の境に向けて」
「守りを固めるで」
 こう言ってだった、芥川は鳥取城を占領したところでそれ以上西に行くのを止めてむしろ鳥取城に守りの兵だけ置いてだった。
 空船を使って鳥取城に置いている兵の大部分を若狭に向けてそのうえですぐに金ヶ崎城を占領しtだった。
 そこに入った、そのうえで兵達に言った。
「ええか、この金ヶ崎城を要としてや」
「そしてですね」
「敵を防ぎますね」
「そや」
 そうすると言うのだった。
「そうするで」
「わかりました」
「では、ですね」
「ここで戦いましょう」
「そうして兵を食い止めましょう」
「この城を手に入れられてよかったわ」
 近畿から見て北陸の入り口にある越前のこの城をというのだ。
「ここで防げればや」
「敵はですね」
「関西には入れないですね」
「そうしますね」
「そや、この城を抑えたからな」 
 それでと言うのだった。 
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