| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

夢幻水滸伝

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十一話 衝突その三

「即座にな」
「兵に星の者も送って」
「そしてや」
 そのうえでというのだ。
「退けるで」
「そうしますね」
「そや、とりあえず近江とな」
 それにと言うんどあった。
「伯耆やな」
「この二国をですね」
「領有したいな」
「それが今の我々の戦略ですね」
「それからや、しかし星の者はそれなりになったけど」
 それでもとだ、芥川はここで首を傾げさせて言った。
「領土と民が増えて隣接する勢力も増えてな」
「それで、ですね」
「足りん様になってきたな」
 芥川は腕を組んで太宰に述べた。
「そうなってきたな」
「はい、確かに」
「他にも人材が欲しいな、しかもな」
「戦える者がですね」
「欲しいところやな」
「ほなあの娘達雇う?」
 綾乃がここで自分の意見を述べた。
「そうする?」
「そやな、ここはな」
 まさにとだ、芥川も頷いて応えた。
「必要とあればな」
「雇っていくな」
「人材が必要になってきたからな」
 それだけにというのだ。
「もっとな」
「それでやな」
「それも考えていこか」
「そうしよな」
「では彼女達に連絡を取ってみます」
 太宰がここで言ってきた。
「私から」
「頼むな、ほな鳥取城と伊賀にな」
「兵を進めますか」
「そうしよな」
 こうしてだった、関西はある程度の戦略を決めた。鳥取城は芥川が援軍に向かうことになり伊賀には佐藤兄妹が近江から攻める玲子と共同する形で伊勢から攻めることになった。
 芥川は鳥取城を囲んでいる夏目と彼が率いる軍勢と合流した、ここでだった。 
 夏目にだ、芥川は言った。
「ほな今からな」
「はい、この鳥取城をですね」
「攻めていこな」
「そうしますか」
「降伏勧告はしたやろ」
「何度もしましたが」
 それでもとだ、夏目は芥川に話した。
「ですが」
「それでもやな」
「降りません」
「それやったら仕方ないわ、それならな」
「今からですね」
「攻める、それでどう攻めるか」
 それはというと。
「忍者使うか」
「忍の者達をですか」
「そうしてや」
「一気に攻め落としますか」
「ここはな」
 こう言ってだった、そのうえで。
 芥川は忍の者達を動かした、そうしてだった。
 忍の者達を動かした、夜に空から大凧を出しそこから降下させてだった。彼等を城の中に潜入させた。
 堀からも忍の者達を送り石垣や城壁を越えさせてだった。
 そうして城に入らせてだ、城の門を次から次に開けさせた。そこで彼はさらに言った。
「よし、これでや」
「後はですね」
「城の中に雪崩れ込むで」
「忍を使うとですね」
「こうした攻め方も出来るからな」
「どうも鳥取城には忍の者はいなかった様ですね」
 夏目はここでこのことを知った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧