八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百七十九話 マーマイトとキーウィその二
「マーマイト、そして」
「ベジマイトもですか」
「実はどっちかというと」
「ベジマイトの方がですね」
「我が国の料理」
そうだというのだ。
「有名な食べもの」
「どっちも似てますよね」
「基本は同じだけれど」
それでもというのだ。
「どっちかというとベジマイト」
「オーストラリアは」
「正直もっとまずい」
そのマーマイトよりもというのだ。
「イギリスの悪いものがさらに悪くなった」
「そんなものですか」
「そう、けれど」
「まずくてもですね」
「我が国の食べもの」
郷土料理、それになるというのだ。この場合は郷土食品と言うべきか。
「他の国にも言える」
「そうですか」
「そう、そしてこれもない」
ベジマイトもというのだ。
「実に寂しい」
「マーマイトなら我が国にもありますが」
こう言ったのはジョーンさんだ。
「ですがそれでも」
「アジア系の人やマオリ族の人には」
「不評ですわ」
どうしてもというのだ。
「パンにはジャムやバターと言われて」
「そうなの」
「はい、マーマイトを塗る位なら」
むしろというのだ。
「キーウィのジャムだと」
「ああ、キーウィだね」
「キーウィはもうそれこそですわ」
「ニュージーランドの象徴だよね」
「羊肉とこれを食べまして」
そしてというのだ。
「ニュージーランド人は健康になりますの」
「キーウィは栄養の塊だからね」
ビタミンCと繊維質の塊だ、だから食べても凄くいいのだ。
「それでね」
「はい、こちらも召し上がりまして」
そうしてというのだ。
「健康になりますの」
「そうだよね」
「はい、ですからもう」
「キーウィだね」
「鳥の方と合わせまして」
こちらはニュージーランドの国鳥だ、飛べなくて小さい外見が実際にキーウィによく似た鳥である。
「我が国の象徴ですの」
「どっちもだよね」
「キーウィの味ときましたら」
「甘酸っぱくてね」
「最高ですわね」
「デザートにもいいし」
もう最適だ、お菓子にも使える。
「サラダにも使えて」
「素敵な果物ですわ」
「あれはね」
「はい、我が国の誇りですわ」
「キーウィがあるからだね」
「ニュージーランドは有名と言ってもいいですわ」
国の代名詞となっていてというのだ。
「まさに」
「そこまでなんだね」
「はい、ですが」
「ですが?」
「そこに羊とマオリ族、ラグビーもあって」
こうしたものが揃ってというのだ。
「我が国はメジャーですわ、オーストラリアと同じ位」
「ベジマイトは知らなくても我が国は知られている」
エリザさんもこう言った、オーストラリア人のこの人も。
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