八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百七十八話 秋の二大イベントその十五
「ですから」
「そうね、そして昭和帝は」
「物凄く怒られたそうです」
皇居のお堀のブラックバスにだ。
「お堀の生態系を荒らして」
「厄介なお話ね、それでブラックバスやブルーギルは食べるの」
「食べないです」
本題はもうはっきりしていた。
「日本人は」
「そうなの」
「鯉は食べますけれど」
淡水魚ならだ、鮒も食べるけれど鮒寿司とか今はメジャーではない。あとイワナとかウグイとかは食べる。それに鮭や鱒、鰻はだ。
「けれどブラックバスとかは」
「そうなの」
「ですから余計に困っています」
「食べないから」
「食用で持ち込んでもどうも」
「美味しくないのね」
「そうみたいで」
僕は食べたことがないけれど噂ではそうらしい。
「結局食べないです」
「それは困ったことね」
「はい、残念ながら」
「それでもハイギョよりは」
「あれはもっとまずそうですからね」
ブルーギルやブラックバスよりもだ。
「どうにも」
「日本にもいないし」
「それにやっぱり虫が怖くて」
火を通せばいいけれどだ、考えてみればあんな泥の中にいる魚を生で食べるとか怖くて仕方がないところだ。
「それで、です」
「食べないのね」
「日本では。食べるのは誤解です」
「よくわかったわ」
エリザさんは頷いてくれた、そしてだった。
僕とジョーンさんにあらためて話してくれた、その話はというと。
第百七十八話 完
2018・3・1
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