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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十八話 秋の二大イベントその十四

「だからですよ」
「仕方なくなの」
「はい、食べてたんですよ」
「そうだったの」
「実際に食べてまずかったそうです」
 肉はしまっていなくてどうも味自体も酷いものだったらしい。
「おまけに寄生虫もいて」
「食べてそうして」
「死んだ人いるらしいです」
「そうだったの」
「今は食べないですから」
 そもそも日本にいない、水族館にはいるけれど珍しい魚扱いだ。八条水族館にもいるけれど見るからに美味しくなさそうだ。
「戦争中だけですよ」
「そうなの」
「はい、ハイギョ食べる位なら」
 それこそだ。
「まだブラックバスやブルーギル食べます」
「どっちも普通のお魚ね」
「害魚です」
 日本ではだ、もっともアメリカ人のジューンさんが言うにはどちらもアメリカでは普通の淡水魚とのことだ。
「昭和帝が大嫌いでしたし」
「そうだったの」
「はい、皇居のお堀にブラックバスが出て」
 それで増えてお堀の他のお魚を食べて生態系を乱してだ。
「物凄い怒られたそうです」
「そうだったの」
「もうそれこそです」
 伝え聞くところによるとだ。
「二・ニ六事件の時みたいに」
「お怒りだったの」
「そうだったそうです」
「確か凄く怒らない人格者と聞いていたけれど」
「それでもです」
 これは半分笑い話だと思うけれど昭和帝ご自身にとっては心の奥底からお怒りになられることだったのだろう。
「もうそれこそ」
「今もお話に残る位に」
「お怒りだったそうです」
「成程」
「まあ実は今上陛下が放流されたのがはじまりとか」
「今っていうと」
「はい、今現在の」
 昭和帝のご子息であられるだ。
「あの方がアメリカで頂いて」
「それでなの」
「放流されたら日本中に広まったんです」
「そうなの」
「釣りマニアに人気で日本各地に放流していって」
 今上陛下が放流されたのは一つの川なのにだ。
「フィッシングで遊んでいたら」
「日本全土に広まって」
「生態系を荒らしています」
「大変なことになったのね」
「陛下も心を痛めておられるそうです」
 何かその当時日本はまだ食料生産が不安だった、それで食用になればとアメリカから放流されたという話も聞いている。
「ご自身のされたことがと」
「というかそれはもう」
「マナーの悪い釣り人のせいですね」
「そう思うけれど」
「普通放流しても一つの川にですからね」
「それが日本全土に広まったのは」
「どう考えても陛下の責任ではないですからね」
 釣り人もそれぞれでマナーの悪い人もいる、この辺り鉄道マニアもそうだし他の色々な趣味人もそうだ。 
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