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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十八話 秋の二大イベントその十

「僕も楽しみだよ」
「ですわね、冬の寒さから一時逃れて」
「沖縄の海でバカンスだよ」
 実際は修学旅行だけれど僕は笑ってこう話した。
「そうなるよ」
「素敵ですわね」
「沖縄にも鮫は出るわね」
 エリザさんは海と聞いて僕にこう聞いてきた。
「やっぱり」
「多分オーストラリアよりは少ないですよ」
「南の海でも」
「はい、ウミヘビもいますけれど」
「ウミヘビはどれも猛毒を持ってるけれど」
 オーストラリアの海はこの生きものも多い、あとヒョウモンダコという日本近海でもたまに見られる猛毒を持っていて噛んでくる蛸もいる。オーストラリアでは実際に噛まれて死んだ人がいたという。
「日本のウミヘビも」
「持ってますけれど」
 僕はその沖縄のウミヘビ、エラブウミヘビの話をした。
「物凄く大人しいです」
「そうなの」
「噛んだりしないです」
「猛毒を持ってるのに」
「ハブよりずっと大人しいです」
「なら安心ね」
「はい、別にです」
 本当にだ、このことは。
「怖いウミヘビじゃないです」
「ならいいわ」
「はい、確かにハブは怖いですが」
 あと海には鮫がいることは確かだけれどだ。
「そんなに怖い自然じゃないです」
「そうなの」
「むしろ楽しい自然です」 
 僕はエリザさんに笑って話した。
「ですから安心して下さい」
「わかったわ、ただ私は」
「あっ、三年生ですから」
「もう修学旅行はなしね」
「はい、二年生です」
 修学旅行に行くのはだ、僕はエリザさんにこの話もした。
「そうです」
「そうね、じゃあ」
「残念ですが」
「そのうち行くから」
「ご自身で」
「ええ、沖縄に」
 エリザさんだけでというのだ。
「そうするわ」
「そうですか」
「それで沖縄の本場の名物料理も食べる」
「そっちもですか」
「楽しむ」
 こう僕に話してくれた。
「是非」
「それはいいですね」
「いいことなの」
「沖縄に行かれることも」
 そしてだ、僕はさらに話した。
「本場の料理を召し上がられることも」
「スパムが多いと聞いたけれど」
「よく使います」
「そうなのね」
「またそれが美味しいんです」
 アメリカ軍から伝わったらしい、この豚肉を加工した缶詰も色々な料理に使えるから凄く便利な食材だ。
「沖縄料理にあっていて」
「飽きる程出るの」
「そこまでは出ないです」
 このことはちゃんと断った。
「流石に」
「そうなの、あとラフテーは」
「勿論あります」
「あれも大好き」
 エリザさんの隠れた好物だ、このラフテーは。
「私は」
「あれ確かに美味しいですね」
「お酒とよく合うし」
「焼酎、いえ泡盛ですね」
「あのお酒に」
 エリザさんは泡盛もお好きだ、というかどうもこの人は色々と日本のお酒といい日本文化に馴染んでいる。 
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