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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十八話 秋の二大イベントその十一

「よく合う」
「だからですね」
「私もよく飲む、そして」
「そのお供にですね」
「ラフテー、あと」
 それにだった。
「ミミガー、そーきそば、足てびち」
「そういった沖縄料理全部ですね」
「合う」
 エリザさんはにこりと笑って僕に対して話してくれた。
「特にゴーヤチャンプルに」
「エリザ大好きですしね」
「むしろラフテーよりも」
「そうですわね」
 ジョーンさんもこのことを知っていて応えた。
「沖縄料理の中ではゴーヤチャンプルが一番」
「お肉の味とゴーヤの苦みが合わさって」
 そしてというのだ。
「滅茶苦茶美味しい」
「そうですわね」
「キン肉マンでも言っていた」
 今も連載が続いている最早存在自体がレジェンドとなっている漫画だ、昔の世代の超人はレジェンド超人と作中で言われているけれどこの漫画自体がレジェンドだ。
「お肉の味とゴーヤの味が合わさって」
「滅茶苦茶にですわね」
「美味しい、オーストラリアにはない味」
「オーストラリアのお料理といいますと」
「アメリカより遥かに単純明快」
 まさにというのだ。
「ワイルドにざっと味付けをして出す」
「それですわね」
「そこに思考はないから」
「それは言い過ぎじゃ」
「オーストラリア人は余計なこと考えないから」
 僕にもこう言ってきた。
「お料理でもそう」
「複雑な味はですか」
「ほぼないから」
「じゃあ羊や牛のお料理も」
「シーフードでも野菜料理でも」
 もうオーストラリア料理なら何でもというのだ。
「調味料、香辛料をざっと入れて味付けして」
「そうして作るんですか」
「だからゴーヤチャンプルな味は」
 それこそというのだ。
「ないから、あと何気に」
「何気に?」
「沖縄料理じゃないけれど」
 こう前置きしてだ、エリザさんは僕に話してくれた。
「鯨も美味しい」
「そこでそれ出されますか」
「そう、我が国は反捕鯨だけれど」
「アメリカ以上に、ですよね」
「アメリカはポーズ」
 政治的なこれに過ぎないというのだ、そういえば最近アメリカで反捕鯨はあまり聞かない気がする。それよりもだ。
「我が国はガチ」
「本気ですね」
「もうとにかく反捕鯨」
「それでもですか」
「私は反捕鯨じゃないし」
 オーストラリア人でもというのだ。
「鯨も食べたけれど」
「美味しかったですか」
「とても。あと犬を食べるのも反対しないから」
「ああ、韓国のですね」
 勿論うちの学園には韓国からの留学生の子も来ている、もっと言えば在日の子も通学している。ただし北朝鮮からの留学生は諸般の理由でいない。これは朝鮮総連に近い家庭の子もだ。この辺り何かとややこしい。
「あの国の食文化ですね」
「その国の文化には反対しないから」
「だからですね」
「あの国の犬食についても」
「反対しませんか」
「食べるつもりはないけれど」
 それでもというのだ。
「反対しないから」
「そうですか」
「そう、ただ」
「ただ?」
「犬は多分だけれど」
 ここで曇った様な顔になって言うエリザさんだった。 
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