八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百七十八話 秋の二大イベントその九
「面白い様に脚色しているんだ」
「そうなんだね」
「うん、ただね」
「おおむね真実ですのね」
「それに基づいているよ」
「本当に元はあそこまで荒れていて」
「立ち直ったんだ、まああの主人公みたいな先生はね」
ふと主人公の先生のことも思い出した。
「ちょっといないよね」
「暑過ぎますわね」
「熱いっていうかね」
「そんな風ですわね」
「あれも脚色してるから」
あのとんでもない熱さもだ、考えてみればあの演出は一歩間違えるとギャグだし結構ネタにもされてきている。
「実際はね」
「あそこまではですの」
「暑くなかったみたいだよ」
熱いのではなくだ。
「まだね」
「ドラマはドラマですわね」
「そうだよ、特にあのドラマはね」
脚色が普通のドラマでもだ。
「随分とね」
「脚色が凄いのですね」
「そうなんだ、お陰で名作になったけれど」
もっと言えば珍作だろうか、荒唐無稽と言えばもうそう言うしかないドラマの演出とあらすじだったから。
「事実とはね」
「違う部分が多いことも」
「覚えておいてね」
「わかりましたわ、あとラグビーの競技は」
「それはないよ」
僕は体育祭の話をまたした。
「流石にね」
「ありませんのね」
「うん、凄く時間がかかるから」
ラグビーの試合一試合だけでだ。
「だからね」
「ありませんのね」
「そうだよ、ただラグビー部も部対抗の競技に出るから」
「そうした形で、ですわね」
「ラグビーも楽しめるよ」
「わかりましたわ」
ジョーンさんは僕の言葉に笑顔で答えてくれた。
「このことは」
「そういうことでね、あとね」
「あと?」
「いえ、体育祭に文化祭と」
ジョーンさんは文化祭の話もしてきた。
「日本の学園の秋はイベントが多いですわね」
「そうだね、何かと」
「そうですわね」
「小学校だと遠足もあるしね」
「遠足は秋ですのね」
「春もあるけれどね」
八条学園初等部ではそうだったし今もだ。
「秋もあるんだ」
「年二回ですのね」
「うん、中等部や高等部では史跡研修っていうんだ」
こうした名前になっているけれど正直やっていることは同じだ。やっぱり遠足と言えば遠足となる。
「高等部では春にあるんだ、修学旅行もね」
「それもありますわね」
「三学期にあるよ」
冬にだ。
「沖縄に行くんだ」
「日菜子さんのご出身の」
「そこに行くんだ、今年はね」
「今年はですの」
「北海道に行った時もあるらしいんだ」
この時は僕は高等部にいなかったのでよく知らない、その時高等部にいた学校の先生から聞いたことだ。
「それで今はね」
「沖縄ですのね」
「あそこに行くんだ」
三学期にだ。
「楽しみにしておいてね」
「わかりましたわ」
「あそこはいい場所だからね」
僕も行ったことがある、親父に連れられて。
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