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夢幻水滸伝

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第七十話 山と海その十

「ほんまに」
「そやね、それでな」
「使者が帰って来たらな」
「どうするか決まるで」
「そやな、しかしな」
「しかし?」
「お話があっさり決まればええけど」
 吉川と伊勢及び志摩の二国それに水軍が特に揉めることもなく関西の勢力圏に収まればというのである。
「戦とかになったら」
「ことやな」
「その場合はやっぱり」
「この辺りに兵を集めてな」
 芥川はここで控えていた官吏達に彼等もすき焼きを食べる様に言った、そうして彼等を下がらせて二人になってさらに話した、戦のことなので二人でと考えてのことだ。
「そうしてや」
「伊勢に攻め入るんやね」
「あと紀伊からもや」 
 この国からもというのだ。
「山を越えてな」
「そうしてやねんね」
「攻め入るわ、あと近江から伊賀にも入ってな」
「そこからもやね」
「攻め入るわ、佐藤兄妹と夏目、玲子ちゃんの四人にそうしてもらうか」
「あの子達を全部使うん」
「一人位守りに置くかも知れんけれどな」
 勢力の領土全体のそれにというのだ。
「それでもや」
「結構な数の星の子達に働いてもらうんやな」
「あと軍勢もや」
 そちらもというのだ。
「今うちは大体八万以上の兵がおるけどな」
「そのうちのどれだけ使うん?」
「五万か。その五万でな」
「伊勢と志摩に攻め入るんやね」
「戦になるんやったらな」
「そうするんやね」
「兵が多いならその多い兵を使えるだけ使う」
 芥川は綾乃にすき焼きを食べつつ話した。
「そうして戦ってな」
「勝つんやね」
「それが戦や」
 芥川は肉、とき卵に入れたそれを食べつつ言った。
「使えるだけのものを使えるだけ使ってな」
「その目的を達成するんやね」
「そや、勝つんやなくてな」
「目的を達成するんやね」
「そや、それが戦や」
「戦は政治やしね」
「常に勝ってええかっていうとな」
 それはというと。
「ちゃう。むしろ戦わんでな」
「目的を達成するのがええし」
「百戦百勝はあかん」
「やっぱり戦わんでやね」
「ことを果たすのがええ、そやから五万の兵を集めてもな」
 それでもというのだ。
「その時で終わればな」
「ええね」
「そしてもっとええのはな」
「今の時点で果たせる」
「それが最高やが」
「それでもそれは」
「どうなるかや、確か吉川はそんなにアホやなかったな」
 芥川はここでこの話をした。
「噂に聞くところによると」
「水産科やったね」
「あそこで結構ええ位置におった筈や」
「そやの」
「そや、結構出来る奴って聞いてるし」
「それやったら」
「下手に戦とか選ばんと思うけどな」
 関西の勢力と、というのだ。
「あいつが野心家ならともかく」
「それやったらどうなるか」
「わからんな、まあとにかくな」
「今はやな」
「使者からの返事待ちや」
 今はとだ、芥川はこう言ってだった。
 二人ですき焼きを食べて酒を飲みつつこれからのことを話しながら使者を待った、そしてその使者は帰って来るとだった。
 二人にだ、こう言ってきた。 
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