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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十七話 秋のイベントその一

               第百七十七話  秋のイベント
 いよいよ本格的に秋になってきた、何時終わるのかと不安にさえなっていた夏の暑さもなりを潜めていた。
 その中でエリザさんは八条荘での夕食の後僕にこんなことを言ってきた。
「今日のデザートだけれど」
「柿ですね」
「あれは日本の果物ね」
「はい、そうです」
 その通りだとだ、僕はエリザさんに答えた。
「実際に日本原産だそうです」
「そうなのね」
「美味しかったですか?」
「凄く」
 ニキータさんは僕に一言で答えた。
「美味しかったわ」
「それは何よりです」
「他には梨や桃や葡萄もあったけれど」
 今日のデザートはフルーツの盛り合わせだった、秋の味覚を集めたのだ。
「私は特に」
「柿がですか」
「美味しかったわ」
「秋になるとなんです」
 僕はエリザさんに笑顔で話した。
「日本では柿が市場に出まして」
「食べらるのね」
「そうなんです、あれが出たら」
 僕としてはだ。
「秋って気がしますね」
「そこまで日本の秋に根付いてるのね」
「はい、あとはアケビとか栗もですね」
「アケビ?庫裏は知ってるけれど」
「山で採れる果物でして」
「そちらもなのね」
「美味しいんです」
 こうエリザさんに話した。
「とはいっても僕はあまり食べたことがないです」
「そうなの」
「山で採れますから」
「山ならすぐそこにあるけれど」
 神戸だからとだ、ニキータさんは言ってきた。
「後ろに」
「六甲にですか」
「そこに入れば」
「そうですけれど」
 それでもとだ、僕はニキータさんに答えた。
「あまり山に入らない様にしてますので」
「そうなの」
「この季節結構蜂が怖いんです」
 それもスズメバチだ、群れで襲って来るうえに凶暴でしかも何度も刺してきて毒も強いという最悪の蜂だ。
「ですから」
「蜂ね」
「もうこの季節が一番危ないですから」
 巣別れの時期で特に気が立っているのだ。
「ですから」
「山に入らないの」
「蝮や猿や熊もいますけれど」
 そういった生きもの以上にだ。
「ずっと怖いんです」
「そうなのね」
「日本では一番怖いですね」
「オーストラリアで言う毒蛇や蠍ね」
「というかオーストラリアって毒蛇多いですよね」
「数も種類も」
 どちらでもというのだ。
「物凄く多い」
「ですよね」
「有袋類より多いかも」
 オーストラリアの象徴にもなっている生物達だ、カンガルーやワラビーだけじゃなくオポッサムやフクロシマリスなんかもそうだ。
「ひょっとしなくても」
「そんなの多いんですね」
「海には鮫」
 毒蛇とは違う意味で怖い生きもの達だ。
「どっちも危険が一杯」
「考えてみれば過酷ですね」
「そう、過酷」
「凄い国ですよね、自然環境は」
「だから流刑地にもなった」
 エリザさんは自分からこのことを話した。 
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