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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十五話 カレーを三人でその十一

「滅多にね」
「そうだね、日本の歴史でもね」 
 あの当時でも今でもだ、そして明治以前でもだ。
「あんな立派な人はいないよ」
「そうよね、だからね」
「凄く立派な軍人だね」
「最高のね。ブラジルにあんな人がいたら」
 乃木大将みたいな人がというのだ。
「どれだけ嬉しいか」
「本当にね」
 チェチーリアさんはニキータさんのその言葉に同意して頷いた、ビーフカレーを順調に食べながら。
「生活も質素でね」
「結構中南米ってね」
「偉い人贅沢するから」
「汚職してね」
「そうしたお話多いからね」
「どうしても」
「だからね」
 乃木大将みたいに質素な人はというのだ。
「いてくれたらって思うわ」
「あんな高潔な人がね」
「若い時はよく遊んだそうだけれどね」
 飲んだりしてだ、その遊び好きを山縣有朋に咎められたりもしたらしい。
「けれど人の道は踏み外してなかったね」
「そこが凄いのよ」
「人の道が踏み外さないことが」
「偉くなってもね」
「若い時にやんちゃはしても」
「厳しく育てられたそうだから」
 当時の武士ではそうした人が多かった、それで乃木大将もだったのだ。
「それで学問も備えていてね」
「軍人さんなのにね」
「学者みたいにだったって聞いたけれど」
「古典にも詳しくて」
 それでだったのだ。
「詩も読めたんだ」
「そこも凄いわよ」
「教養もあったって」
 二人で僕に言ってきた。
「何か武士よね」
「文武両道で」
「しかも格好いい」
「素敵な人よ」
「海外での方が評判いいのは知ってたけれど」
 日本国内よりもだ、この辺り人の評価は面白い。
「予想以上だね、しかも有名だし」
「かなりの有名人よ」
「日本人の中でもね」
 二人は僕にまた答えてくれた。
「凄い人ってことで」
「それでね」
「そうなんだね、何か戦後長い間ね」
 戦争に負けてからの日本ではだ。
「日本では評価低かったけれど」
「あんな素晴らしい人がってね」
「おかしいわね」
「おかしいっていうかね」
 戦後の日本の教科書やマスコミはだ、八条学園の中ではそうでなくてもだ。その為か八条グループはよく左の人から極右と言われ続けた。
「戦後の日本の方がおかしかったのかしら」
「そうだと思うわよ」
「むしろね」
「乃木大将みたいな立派な軍人さんを中傷したりとか」
「有り得ないわよ」
「中傷する人も何を言わんかだしね」
 北朝鮮なんかと仲がいい人だ、戦争反対だの何だの言ってももうそこに説得力を感じる人もいないだろう。
 それでだ、僕は二人にあえてそうした人達のことを話した。
「乃木大将じゃなくて北の首領様とかが好きな人達だしね」
「ああ、初代の人ね」
「あの人よね」
「次の将軍様とかね」
 世襲で、共産主義国家では本来有り得ない筈の継承で国家元首になった人だ。 
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