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夢幻水滸伝

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第六十八話 会談成功その十五

「それで桜井の領主達の前に知らせるんや」
「賊を成敗したことをか」
「現地に連れて行ってな」
「それは術でやな」
「そうすればええ。それでや」
 狐はさらに話した。
「今から切り込むで」
「ほなな。神具と術を使って」 
 山はいよいよ手前に来ていた、後は切り込むだけだった。芥川は背中に背負っている神具大通連に手をかけた。
 だがここでだ、彼はふと気付いて言った。
「おっと、急に切り込むよりもな」
「ああ、そろそろ敵も気付くで」
「気付かれるよりもな」
「気付かれんでな」
「攻めるのがええ」
 その方が戦いやすいというのだ。
「そやからな」
「姿消すな」
「そうする。忍術でな」
 忍者のそれでというのだ。
「忍法透明の術や」
「ほなどろんと消えるか」
「こうしてな」 
 右手は刀の柄に手をかけたままで左手で印を結んだ、するとだった。
 芥川も狐も姿を消した、これで芥川は狐に言った。
「これでええ」
「四智星だけある、戦力はこっちが圧倒的に上でもな」
「策は講じられるだけ講じる」
「そうして戦うってことやな」
「そや、勝率は九割九分九厘でもあかん」
「確実にやな」
「勝てる状況やないとや」 
 そうでもないと、というのだ。
「戦うもんやない」
「そやな、それでや」
「ここはや」
「姿を消したな」
「姿を消して敵の一番中心に入ってや」 
 そのうえでというのだ。
「そこで大暴れしてな」
「それでやな」
「敵を大混乱に陥れる」
「そうしてからやな」
「自分と一緒にな」
 狐の力も使ってというのだ。
「思いきり戦うで」
「それでやな」
「全員征伐や。ただ捕まってる民や財宝には一切手を出さへん」
 巻き込む様なことはしないというのだ。
「絶対にな」
「そこは守るか」
「そうや、民を護るのが星のモンやろ」
「世界を救ってな」
「それで民を巻き込んだり山賊が奪ったもんを懐に収めるとかな」
 そうした振る舞いはというのだ。
「するもんやない」
「そやからやな」
「そうしたことはせん」
 断じてしないというのだ。 
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