夢幻水滸伝
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第六十八話 会談成功その六
「ですから待つことも大事かと」
「出て来るのをやね」
「そうです。そしてです」
太宰は話をさらに続けた。
「勢力を拡大していきましょう」
「人材の面でもやね」
「そうです、では軍師殿にはです」
「そのこともやな」
芥川も太宰の言葉にすぐに応えた。
「大和攻めではやな」
「お願いします」
「ああ、そうさせてもらうわ」
こう話してそしてだった。
芥川は綾乃に大和攻めの許可を得た、そのうえであった。
すぐに兵を率いて大和に兵を進めた、彼は軍勢を率いつつ自分が乗っている九尾の狐に対して言った。
「足軽やな」
「ああ、軍勢はな」
「陣笠被ったな」
「そや、日本の兵は足軽や」
狐もこう答えたのだった。
「それで部将は陣羽織着てる」
「具足の上からな」
「それが日本の将兵や」
「戦国時代の恰好やな」
芥川は狐の背に乗りつつ言った。
「ほんまに」
「武器もそやろ」
「ああ、刀に槍に弓矢に鉄砲にな」
そうしたもので武装していた、その足軽達が。
「それで武装してるな」
「そやな、しかしな」
「しかし?」
「空船があるな」
ここで空を見上げた、するとそこに空を飛ぶ船達があった。空は船にヘリコプターのジャイロが帆のところにある様なプロペラ達で飛んでいる。
その船達を見てだ、芥川は話した。
「それは全然ちゃうな」
「そや、あれはこっちの世界でのもんや」
まさにというのだ。
「錬金術も魔術もあるしな」
「そうした世界やしな」
「そして浮島もある」
空に浮かぶ島、それもというのだ。
「それがあるからな」
「それでやな」
「そや、浮島に行き来する為にな」
「空船が必要やな」
「それで開発されてな」
「使われてるんやな」
「そや、それでこの船を使ってや」
そしてというのだ。
「戦もするんや」
「そやな、しかしな」
「しかし?」
「いや、こっちは一万の軍勢を率いてるやろ」
芥川は今度は軍勢の話をした。
「大和の豪族は何処も千もない」
「小勢力ばかりやな」
「ああ、そやから戦を挑もうとする奴は少ない筈や」
これが芥川の読みだった。
「そして戦になったらな」
「その一万の兵で降すか」
「そして僕もや」
こう狐に言うのだった。
「神具と術使って戦うわ」
「ああ、自分正直言うて強いからな」
このことをだ、狐は芥川に告げた。
「それも一騎当千どころやない」
「さらに上やな」
「万、いや十万に匹敵するわ」
芥川の強さはというのだ。
「兵で言うとな」
「ほな大和の豪族位やったら」
「自分一人でな」
軍勢に攻めさせずともというのだ。
「倒していけるで」
「そこまで強いんやな」
「そや、けれど戦略としてやな」
「兵は進める」
それは絶対だというのだ。
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