夢幻水滸伝
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第六十八話 会談成功その七
「まずは奈良の街に入る」
「あそこにか」
「それでや」
そのうえでというのだ。
「あそこを拠点にしてな」
「大和攻めをしていくんやな」
「そうする、大和やと興福寺やな」
芥川はここでこの寺の名前を出した。
「あそこが大きいな」
「それはそっちの世界でもやろ」
「ああ、ずっと大和の守護やったわ」
室町時代はそうであった、守護代表ではなく寺社勢力が治めている国が大和という国だったのである。
「僕等の世界ではな」
「それでや、こっちの世界でもな」
「興福寺が一番大きいな」
「大和の勢力ではな」
「ほなそことの対決も念頭に置いてや」
そのうえで、とだ。芥川は狐に話した。
「兵を進めてくで」
「色々な豪族を吸収しながらやな」
「従う豪族は領地も兵もそのまま取り込んでや」
「豪族の一族はどないするねん」
「官吏に組み込む」
そうするとだ、芥川は狐に答えた。
「僕が大坂でやってきて綾乃ちゃんもそうしてる通りにな」
「その能力に合わせてか」
「登用していく、一族もその能力に合わせてな」
「そうしていくんやな」
「人材は星のモンだけやない」
芥川は腕を組み狐に乗ったまま言った、黒装束姿はそのままだ。
「この世界に最初からいる人の力も必要や」
「それでやな」
「そや、天下を治める仕組みも創ってるやろ」
太宰がそうしている、宰相である彼は所謂統治システムといったものも創り上げていっているのだ。
「そこに入れる人材というとな」
「こっちの世界の優れた人材か」
「そや、この人材はこれからは試験で選んでくけどな」
「今現在はやな」
「その能力を見てや」
そうしてというのだ。
「治める仕組みの中に入れてくわ」
「そうしてくか」
「それでや」
芥川は狐にさらに話した。
「豪族も必要や。勿論連中には禄を払う。ただな」
「領地はか」
「豪族のもんやなくす、勢力のもんや」
即ち自分達の今の政権の管轄下に置くというのだ。
「豪族から官吏や」
「そうしてくんやな」
「治める仕組みはな」
「よお考えてるな」
「急に変えてくが変えてく力はある」
それは既にというのだ。
「その力が僕等や」
「星のモンやな」
「国を治めて臨む方向に向ける力があるやろ」
「変えていって治めてまとめていく力がやな」
「この場合は統率力、知力、政治力、そして魅力や」
こうした能力だとだ、芥川は言い切った。
「それや、そして万が一叛乱が起こってもな」
「それを抑える武力もあるか」
「そもそも起こさせんだけの政治力もある。僕等は起きてる時は一介の高校生でもこっちも世界やとな」
「星のモンでな」
「随分知識と行動力、体力があるわ」
こちらの世界ではというのだ。
「知力もな。高校生とは思えんわ」
「それな、神具の力もあるけどな」
「星のモンの力か」
「それがあってな」
それでというのだ。
「自分等はかなりな」
「力が上がってるな」
「こっちの世界ではな、そしてその力でな」
「世界を変えて統一してやな」
「救うことが出来るんや」
そうなるというのだ。
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