夢幻水滸伝
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第六十八話 会談成功その五
「それも早急に」
「星の奴でも強い奴を送るんやな」
「そしてそれはです」
「僕やな」
「そうです、玲子さんには治安を担当してもらいますし夏目君には丹波や丹後を完全に手中に収めたなら内政にかかって欲しいです」
夏目がそちらも出来るからだ。
「佐藤兄妹も同じです」
「それぞれ播磨と紀伊に兵を進めさせてな」
「この二国の領有の後はやはり内政です」
それにかかってもらうというのだ。
「中原君は最初からで私は政全体を見ます」
「それで棟梁の綾乃ちゃんもやな」
「姫巫女様には国全体を見てもらいますので」
棟梁としてそうしてもらうというのだ。
「ですから戦はです」
「僕がやな」
「軍師ですが今は大将としてもです」
つまり軍勢を率いる者としてもというのだ。
「働いて欲しいのです」
「よし、ほなな」
芥川も頷いた、そうしてだった。
すぐに大和への進軍の策を練りはじめた、それは彼が言ったままであった。
「山城、そして河内からな」
「兵を進めるんやね」
「豪族に使者をやって取り込みながらな」
そうしつつとだ、芥川は綾乃に地図を開きそのうえで綾乃に自身の大和への戦略を話していた。その傍には太宰もいる。
「兵を進めていく、とにかく北や」
「大和の北を押さえるんやね」
「大和はほんまに北にええ場所が集中してるからな」
「南は山ばっかりやしね」
「吉野から南はほんまに山ばっかりや」
そうした国だというのだ、大和という国は。
「林業は凄いけれど他の産業はなくてや」
「人も少ないんやな」
「そや、そんな場所やからな」
「北に人も産業も集中してるからやね」
「もう一気に北を掌握するんや」
大和のそこをというのだ。
「そうしたらな」
「国力が上がるな」
「そうなるで、ただな」
「ただ?」
「奈良にも星の連中がおるらしいな」
ここでこのことを話した芥川だった。
「そやったな」
「ほなその子達もこっちに迎え入れる?」
「声をかけるか」
今のうちにとだ、芥川は綾乃に考える顔で話した。
「そうしよか」
「そやな、人をやってな」
「その連中がいれば」
その時はとだ、芥川はさらに話した。
「こっちはもっと楽になるしな」
「それでやね」
「こっちに迎えるか」
人をやってというのだ。
「星の奴はどんどん仲間にしていきたいしな」
「それがこっちの戦力アップになるし」
「それでや、どんどん入れていこうな」
「ほなその子達も引き入れて」
「さらに進んでいこうな」
「出来れば内政の専門家が欲しいですが」
ここで太宰が言った。
「まだそうした人はこちらに多くは来ていませんね」
「そやね。星の子は全員一気に来るかと思ったら」
それはとだ、綾乃も太宰に応えて話した。
「そういう訳でもないね」
「はい、ですが仲間に出来る人はです」
全員というのだ。
「全員仲間にしたいですが」
「それはやね」
「出て来るまでどうしようもありません」
この世界でというのだ。
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