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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百七十二話 ワーウルフの話その十

「象形文字が書かれている」
「あと楔形文字が書かれた粘土板とかね」
「沢山あるというわね」
「賢者の石があるとかね」 
 錬金術の極意であるこの石もだ。
「色々言われてるよね」
「そうよね」
「本当か嘘かわからないけれど」
 この真意はだ。
「それでもね」
「色々言われている人ね」
「研究室も実はかなり広くて」
 博士が大学で本拠地にしているその場所もだ。
「果てがないとか」
「そうした噂もあるのね」
「そうなんだ、そして研究室には」
 果てのないそこにはだ。
「色々な妖怪達がたむろしているとか」
「そうした噂もあるの」
「ただ関係が深いだけじゃなくてね」
「そうなのね」
「とにかくあの人はね」
「色々な噂があるのね」
「本当かどうかわからないね」
 そしてどれもがこの学園ならありそうなものなのだ。
「それがあるんだ」
「そうなのね」
「本当にあの人は」
 それこそだ。
「謎が多いんだよ」
「ううむ、謎の人物でござるか」
「何しろ日清戦争の頃には間違いなくこの大学におられたから」
 十九世紀の話だ。
「江戸時代の知識も凄いし」
「百五十年以上前でござるが」
「その頃の知識もね」
「豊富でござるか」
「まるで見てきたみたいにお話されるみたいだよ」
「不老不死の人でござろうか」
「どうかな」
 この辺りかなりわからない。
「本当にそうかもね」
「錬金術を極めた中で」
「不老不死になったのかもね」
 錬金術にはそうした話もあるからだ。
「色々古代の失われた知識の研究もしているみたいだし」
「アラビアンナイトの頃の学者みたいでござるな」
「ああ、イスラムではね」
「そうしたものを積極的に学んでいたでござる」
「そうだったね」
「錬金術もでござる」
 僕が今出したこの学問もなのだ。
「積極的に学んでいたでござる」
「かなり奨励してだよね」
「そうだったでござるよ」
 それでイスラムでは化学等がかなり発展したという、欧州では禁じられていた錬金術がイスラムではむしろ推奨された結果として。
「それでイスラムの錬金術も」
「極めていくとだね」
「無尽蔵に金を生み出せる様になって」
 そうしてなのだ。
「不老不死にもでござるな」
「なったかも知れないっていうんだね」
「そう思ったでござるが」
「そうかもね、とにかくあらゆる古代の学問にも通じているらしいから」
 そのせいでだ。
「あの人はね」
「不老不死になっていてもでござるな」
「不思議じゃないね」
 僕もこう思う。
「あの人は」
「凄い人でござるな」
「学園の怪談の中でも最大とも言われるし」
 博士自体がだ。
「それだけにね」
「有名でござるか」
「皆よく話してるよ」
 博士のそうしたことをだ。 
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