八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百七十二話 ワーウルフの話その九
「というか身なりに気を使うタイプと聞いてるよ」
「お洒落でござるか」
「ドラキュラ拍車はそちらでも有名だし」
映画に出て来るドラキュラ拍車はいつもタキシードにマントだ、ダンディな妖怪としての人気はここからだ。
「この学園ではね」
「ドラキュラ伯爵だけでなくでござるな」
「フランケンシュタインもそうでね」
「狼男もでござるか」
「ダンディらしくてね」
噂に聞く限りではだ。
「いつもスーツで決めているらしいよ」
「そうでござるか」
「どうもね」
「びしっとした服装でござるか」
そう聞いてだ、マルヤムさんはこう言った。
「狼らしいな」
「狼は恰好いいからだよね」
「そう思ったでござる」
「そうなるね、確かに狼は恰好いいし」
僕から見てもだ、狼はそうした生きものだ。怖いというよりも恰好よい生きものと思うのは僕も同じだ。
「狼男がダンディでもね」
「合っているでござる」
「そうだね、まあ食べるものはね」
このことは学園の妖怪達全てがだ。
「何か自然とね」
「あるでござるか」
「何か近所のお店の話だと」
商店街とかでの話だ。
「買出しに結構ね」
「来ているでござるか」
「怪しい人達がね」
「怪しい、でござるか」
「マスクをした女の人とか」
「口裂け女本人でござるか」
「何かそんな話もあるんだよ」
学園の外にまで出入りしているのだろうか、八条学園の妖怪や幽霊達について僕はこうも考えている。
「そんな話もね、あとね」
「あと?」
「悪魔博士ね」
学園の有名人のこの人の名前も出した。
「あの人と関わりが深いとも言われてるよ」
「学園の幽霊や妖怪達は」
「そうもね」
「悪魔博士というと」
マルヤムさんももしやという顔で言った、この人の名前を聞いて。
「大学の教授の」
「そう、百五十歳とかいうね」
「顔中白いお髭だらけのあの人でござるな」
「あの小さいね」
やけに小柄で子供位の背丈しかない。
「あの人だよ」
「そうでござるな」
「あの人自身妖怪って噂もあるけれど」
百五十歳以上という噂もある、そう思うと冗談抜きでそうかも知れない。
「あの人と学園の幽霊や妖怪達はね」
「関係があってでござるか」
「それが深いとも言われているんだ」
「そうでござるか」
「うん、これがね」
噂によるとだ。
「そうらしいよ」
「そうでござるか」
「あくまで噂だよ」
この話はだ。
「本当にね」
「噂でござるか」
「もっと言うと怪談の一つだよ」
あの博士の話にしてもだ。
「あの博士も凄い噂が一杯ある人でね」
「私も聞いてるわ」
友奈さんもあの博士について言及してきた。
「あらゆる学問を修めていて」
「錬金術や魔術とかね」
「オカルトにも造詣が深くて」
「研究室に色々な本があるんだよね」
「パピルスの紙とか」
古代エジプトのそれだ。
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