八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百七十話 ウチナンチューその四
「お刺身は」
「そうだよね」
「それで沖縄ではね」
「山羊もだね」
「お刺身にするよ」
「そうだよね、それであれもね」
その山羊のお刺身もとだ、僕は安座間君に話した。
「美味しいよね」
「そうだよね、しかし沖縄でもお刺身を食べるけれど」
「ああ、本土はだね」
「とにかくよくお刺身食べるよね」
「日本人の好物の一つだね」
僕もこう答えた。
「お魚自体が。それでね」
「お魚のお料理の中でもね」
「お刺身は人気があるからね」
スーパーに行けばそれこそ幾らでもある、前に漁獲量で揉めた鮪もあるし鮭もハマチもある。僕はどれも好きだ。
「だからね」
「ふんだんにあってそうして」
「ふんだんに食べてるよ」
「お酒を飲む時も」
「僕も好きだよ」
肴としてのお刺身もだ。
「鮪でもハマチでもね」
「どれでもだね」
「鰹のタタキもね」
「あっ、それもなんだ」
「好きだよ」
それもかなりだ。
「山葵醤油でも生姜醤油でも大蒜醤油でもね」
「どれでもだね」
「うん、好きだよ」
実際にだ。
「鰹のタタキもね」
「僕も好きだけれどね、鰹のタタキ」
それは安座間君もだった、けれど安座間君は僕に微妙な顔になってそのうえで僕にこんなことも言ってきた。
「ただ沖縄じゃね」
「鰹自体がだよね」
「それ程食べないからね」
「やっぱりそうだよね」
「うん、あとね」
「あと?」
「基地反対っていう人本当にそうしたことは興味がないから」
僕に困った顔でこうも言ってきた。
「お料理のことも」
「そんなの興味もなくて」
「基地の前で平日のお昼から騒ぐだけだからね」
「沖縄の他のことには興味ないってことだね」
「そもそもあの人達県民じゃないし」
安座間君もこう言った。
「一坪地主って人達もね」
「本土から買ってだよね」
「地主ってなってるし」
「それもあれだね」
「そうした人達と比べたらね」
それこそという返事だった。
「お料理に興味を持ってもらう方がずっといいよ」
「沖縄の人としては」
「豚肉とかスパムとかにもね」
「スパムも入るんだ」
「確かによく食べるから」
それでというのだ。
「僕は沖縄の食材って考えてるよ」
「そうなんだ」
「缶詰から出して切って焼いたら」
さっき話してくれたチャンプルみたいにしてだ。
「かなり美味しいからね」
「うん、僕もそれ好きだよ」
「スパムバーガーとかね」
「アメリカだね、それも」
「そうだよ、アメリカじゃハンバーガー以外にね」
ハンバーグのそれ以外にもというのだ。
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