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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百六十九話 沖縄とはその九

「やはり根拠がないとな」
「残らないお話よね」
「伊豆からはるばる琉球まで逃れてな」
「そこで王様になったのね」
「源平の争乱をよそにな」
 僕も頼朝さんは好きじゃない、何か物語を読んでいると清盛さんの方がずっといい人に思えるのは気のせいだろうか。
「そうなっていたなら嬉しいな」
「そうよね、しかしあれね」
「あれとは?」
「いや、こうした歴史も面白いわね」
 日菜子さんは井上さんに笑ってこうも言った。
「琉球の歴史って」
「為朝公のことでもか」
「というか沖縄って面白いのよ」
「基地ばかりでなくだな」
「そこも注目して欲しいのよ」
「基地の前にいる連中は正直沖縄は基地だけだな」
「というか自分だけ?」
 日菜子さんはあの人達をこうまで言った。
「自分の満足か変な狙いがあってね」
「基地の前で騒いでいてだな」
「正直沖縄のことはどうでもいいでしょ、今の知事さんも」
 あのよくテレビで出る人もというのだ。
「昔の知事さんもね」
「基地以外にはだな」
「政策ないみたいだしね」
 それでマスコミが持て囃すのだから楽と言うべきだろうか、それが沖縄にとってどういうことかは別にして。
「実際は」
「基地以外言っているところは見たことがないな」
「だから本当にね」
「基地反対以外はか」
「政策がない人達でしょ」
「知事といえばだ」
 井上さんは腕を組み真剣な顔で語った。
「一つの県を預かる、そして一つの県ともなればだ」
「それなりの土地と資源と人口があるわよね」
「沖縄県もそうだな」
「ええ、普通にね」
「島は多く産業もあり人も多いな」
「そうよ、流石に東京や大阪よりは少ないけれど」
「しかし百万以上は間違いなくいる、百万以上となるとだ」
 それこそというのだ。
「相当な人口でだ、昔ならちょっとした国だ」
「それで政策がないとなると」
「大変なことだ」
「悪い意味でね」
「そうだ、実にな」
「昔の知事さんもそうだったしね」
 沖縄で大騒ぎしていた時の知事さんだ、二十年以上前にもそうした時代があったがこの人もマスコミ受けはよかったらしい。
「主体思想の人がブレーンにいた」
「そして今の知事もだな」
「政策はね」
「基地反対だけでか」
「他はないから」
「さっき沖縄特有の動物の話をしたが」
 井上さんはこの話をまたしてきた。
「そのことだが」
「イリオモテヤマネコとかヒヤンとか」
「彼等の保護、つまり環境のことはどうなのだ」
 かなり真剣にだ、井上さんは日菜子さんに言った。
「果たして」
「正直ね」
「しているかどうかはだな」
「疑問でしょうね」
「やはりそうか」
「だって他のこと言わないから」
 基地反対以外にはというのだ。
「沖縄の問題はそれが全部みたいなね」
「具体的な主張はしていないか」
「行動もね」
「では若しおかしな奴がいてだ」
「そうした生きものを乱獲したりとか」
「そうした奴はいる」
 それこそ何処にでもというのだ。 
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