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夢幻水滸伝

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第六十六話 過去その七

「酒は夜に飲むもんやろ」
「昼からごくごくとはせんか」
「昼に何かあったらあかんやろ」
 それでというのだ。
「酒は夜に飲む様にしてるんや」
「それでか」
「ああ、今は飲んでない」
 そのビールをというのだ。
「日本酒とか焼酎もあったけどな」
「それは賢明やな。昼から酔うのは安心してええ時や」
「今はこの世界に来たばかりでな」
「何もわかってないから油断出来へんやろ」
「それでや」
 今はというのだ。
「飲んでないわ」
「そうしてるな」
「そや、けどサイダーもよお冷えてて美味かったわ」
 そのサイダーの話もだ、芥川は狐に笑って話した。
「お陰で楽しく飲み食い出来たわ」
「それは何よりや、ほなや」
「これからお城に向かうな」
「大阪城にな」
 まさにこの城にというのだ。
「行こうな」
「そうするか」
「さっき話した通り今あの城は星の連中がおる」
「そしてそこから大坂とその周りを治めてるな」
「堺以外の摂津、河内、和泉をな」
「大阪全部やな」
 自分達の世界それも現代での行政区分からだ、芥川は述べた。
「そうなると」
「そっちの世界ではそうなるか」
「そうや」
「そうか、しかもそこから播磨の方にも進出してるわ」
「そっちにもか」
「結構順調に勢力を伸ばしてるで」
「やり手やねんな」
 その双子の兄妹の星達のことについて芥川はこう思った。
「そうなると」
「そやから星の奴の能力はや」
「相当やねんな」
「それで戦の場に出たら采配も出来て自分等が戦っても一騎当千どころか当万でな」 
 そこまでの力があってというのだ。
「それでや」
「戦にも勝ててか」
「暗殺とかも出来んし統治が出来たらな」
 これが出来ればというのだ。
「まあ順調にや」
「勢力を伸ばせるか」
「他の星の奴が率いてる勢力に負けん限りはな」
「ほなこの世界は星の奴こそがか」
「一番強いんや」
「それでその中でもか」
「自分等神星はダントツや」
 そこまで言っていい力があるとだ、狐は自分の横を歩いている芥川に話した。
「そのことはわかっておくんや」
「自分の力のことはやな」
「充分にな」
「過信はせんでもやな」
「過信とはっきり理解することは別やろ」
 こう言った狐だった。
「そうやろ」
「ああ、またちゃう」
「そやろ、それやからな」
 それでと言うのだった、狐にしても。
「自分は自分を正確に理解することや」
「その通りやな、ほなな」
「今から大坂城行くで」
「そうしよな」
 こうして芥川と狐は大坂城の正門まで来た、するとだった。
 正門に来るとだ、門番の兵達がいて芥川達に言ってきた。
「何者だ」
「一体誰だ」
「ここの城主に会いに来た」
 芥川は兵達に平然とした顔で答えた。 
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