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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第百六十八話 ノーヒットノーランその六

「イメージは」
「本当にそこが違うね」
「ああ、あと同じ京都府でも京都市と他はまた違うんだよ」
「舞鶴ともだよね」
「舞鶴とはもう全然違ってな」
「他の場所ともだね」
「京都市は違うんだよな、雰囲気が」
「古都だね」
「それだよ」
「何かその意識強いよね、京都市って」
「もうな、何ていうかな」
 それこそという返事だった。
「京都市こそがってところあるな」
「気位が高い?」
「それだよ、実は僕長岡市なんだよ」
 生まれと育ちはだ、彼は実は京都市民じゃない。京都府民であっても市民とは限らないということだ。
「それで長岡市民から見るとな」
「京都市はそうなんだ」
「独特なんだよ」
 それこそというのだ。
「古都だ古都だってな」
「その意識が強いんだね」
「駅もでかいしな」
「ああ、京都駅」
「あそこ自体が街だよ」
 そうした状況だというのだ。
「駅だってそうだしな」
「京都駅って確かに大きいね」
「だろ?駅からしてそうで」
「長岡市民から見ると」
「そうした意識が強くてな」
「嫌なんだ」
「そう思う時もあるな」
 こう僕達に話した、僕はそうした話もしてそれからだった。お昼になってお弁当を食べようとしたら。
 不意にだ、クラスに香織さんが入って来てこう言ってきた。
「今暇?」
「お弁当食べようと思っていたけれど」
「じゃあ一緒に食べる?」
「二人で?」
「三人でよ、詩織もよ」 
 見れば香織さんの後ろに詩織さんが出て来た。
「屋上で食べましょう」
「ああ、今日天気もいいしね」
 窓の外を見るとそうだった、本当に景色が奇麗だ。
「それでだね」
「そこで食べましょう」
「うん、それじゃあね」
「いや、秋空よね」
 香織さんも窓の外の空を見た、そのうえで言った。
「もうね」
「そうだね、すっかりね」
「昨日まで暑い暑いだったけれど」
「今日は涼しいし」
「ええ、お空もね」
「青くてね」
「高いよ」
 そのお空がだ。
「いいお空だよ」
「天高くよね」
 詩織さんはこう言ってきた。
「まさに」
「そうそう、その青もいいね」
「奇麗な青なのよね」
「水色じゃなくて」
「コバルトブルーかしら」
 詩織さんは秋の空の青についてこう言った。
「ちょっと違うかしら」
「ううん、コバルトブルーとはまた違う」
「深い青だけれど」
「何ていうのかな」
 その空の青を見つつだ、僕は詩織さんに応えた。
「コバルトブルーよりまだ濃い」
「そんな青よね」
「スカイブルーではないね」
 俗に言う空の青とはだ。
「やっぱり」
「そうよね、お空でもね」
「何ていうか」
 また話した僕だった。 
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