| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第百六十八話 ノーヒットノーランその五

「舞鶴のことはね」
「ちなみに京都駅から電車で直通だぜ」
「ああ、八条鉄道でもJRでもね」
「どっちでも行けるぜ」
 直通でというのだ。
「特急も出てるしな」
「じゃあ京都に出てね」
「行ってみるといいさ、自衛隊のでかい港もあるしな」
 海上自衛隊のだ、あと海上保安庁の港もある。海自さんも保安庁さんも大きな港が舞鶴にあるのだ。
「船も多いぜ」
「歴史もあるしね」
「東郷平八郎さんもいたしな」
「そうそう、あと肉じゃがだね」 
 僕はこの料理の話もだした。
「舞鶴からだったね」
「何か呉もそう言ってるよな」
「実際は舞鶴だよね」
「どうだろうな」
 肉じゃがについては村瀬君も曖昧だった。
「そこは」
「わからないんだ」
「俺はそういうの知らないんだよ」
 肉じゃがの話はというのだ。
「実はな」
「そうだったんだ」
「好きだけれどな」
 肉じゃが自体はというのだ。
「けれどな」
「発祥が何処かは」
「大事なのは美味いかどうかだな」 
 つまり味こそが問題だというのだ。
「美味い肉じゃがならどっちでもいいさ」
「そうしたものなんだ」
「ああ、ただ京都市はな」
 この街はというと。
「肉じゃがは」
「ああ、ちょっとね」
「イメージじゃないだろ」
「京都はそうした庶民的なお料理はね」
「食べるぜ、けれどな」
「京都のカラーにはね」
 その京都市のだ。
「合わないね」
「そうなんだよな」
「京料理だね」
「それなんだよ」
 まさにというのだ。
「京料理じゃないだろ」
「肉じゃがはね」
「野菜は京野菜を使うからな」
「それで料亭とかで出てね」
「高いんだよ」
 一見さんお断りの料亭だ、八条家の人間は普通に行くことが出来るけれど普通の人は本当に一見さんお断わりだ。
「これがな」
「それでそうしたお店だと」
「肉じゃがなんてな」
 それこそという口調での返事だった。
「ないだろ」
「出ないね、料亭では」
「レストランでビーフシチューは出るぜ」
 こちらはというのだ。
「肉じゃがのもとになった」
「同じ食材だからね」
 これ自体は本当に同じだ。
「じゃがいもと牛肉と玉葱、人参はね」
「それ自体はな、けれどな」
「これが肉じゃがになると」
「急に庶民の料理になってな」
 ビーフシチューも普通に食べる料理だけれどレストランでも出るから高級なものは高級なのだ。こちらは。
「それで、だからな」
「また違うね」
「だから京都市で肉じゃがはな」
「イメージじゃないね」
「あくまで舞鶴だな」
 こちらの街だというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧