八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百六十八話 ノーヒットノーランその四
「雪かきとかするらしいぜ」
「マジで寒冷地だな」
「そうだよな」
「神戸でもそうはないぜ、雪かきなんて」
「流石にな」
「それがあっちじゃ結構あるらしいな」
その舞鶴ではだ。
「寒いだけじゃなくてな」
「そう思うと凄い場所だね」
僕は村瀬君の話をここまで聞いてその村瀬君に言った。
「舞鶴って」
「そうだよな、本当に」
「京都も寒いけれど」
「マジで底冷えするから気をつけろよ」
やはり盆地だからだ、とはいっても神戸も後ろの山から風が思いきりくるのでとても寒いのは事実だ。
「冬の間はずっとな」
「夏は暑くて」
「そんなところだからな、けれど雪はな」
「流石にだよね」
「舞鶴みたいには積もらないな、舞鶴なんて雪国だっていうからな」
同じ京都府の人から見てもだ。
「寒冷地扱いのな」
「そこでまたそう言うんだ」
「しかも雨も多いしな」
「それさっき言ったね」
「何でも舞鶴モードっていうらしいんだよ」
そう聞くと随分お洒落に聞こえた。
「雨が多くて湿気も多い」
「寒冷地なのに」
「夏は確かに涼しいけれどな」
それでもというのだ。
「雨は多いらしいな、しかも何か降って欲しくない時に降る」
「その人のそれぞれのそうした時に」
「そうらしいぜ、あと自衛隊は傘ささないよな」
「そうそう、自衛隊はね」
このことは八条学園の人間なら皆知っている、自衛隊の基地とかに研修に行くからだ。夏の合宿での海上自衛隊幹部候補生学校への史跡研修もそのうちの一つだ。
「レインコートを着てね」
「そうするからな」
「あれ折り畳みしにくそうだね」
「だよな、けれどあれを着てな」
「傘で手が塞がらない様にするんだよね」
「それでレインコートを出してな」
その降って欲しくない時にだ。
「着て作業とかするらしいぜ」
「自衛隊の人の都合?」
「そうみたいだな」
「まあそれはね」
「その人それぞれで変わるな」
「そうだよ、降って欲しくない時はね」
本当にその人のその時によってだ。
「変わるよ」
「けれどそう言われてるんだよ」
「舞鶴モードって」
「降って欲しくない時に降るってな」
その様にというのだ。
「言われてるんだよ」
「それで雨多いんだ」
「湿気も多くて黴だってな」
話がどんどん嫌な方向にいっていた、正直黴なんていらない。僕は青カビも白カビも黒カビも好きじゃない。
「よく出るらしいぜ」
「何か嫌なことが多いね」
「雪に雨に黴にな」
「湿気もね、舞鶴も」
「静かでいい街だっていうけれどな」
気候はというのだ。
「雨、雪には注意しないとな」
「そんなに多いんだね」
「どうもな」
「そのこと覚えておくよ」
僕はこう村瀬君に答えた。
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