八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百六十八話 ノーヒットノーランその三
「するね」
「そうだよな」
「このまま涼しくなっていって欲しいな」
「徐々にでもな」
「そうだね、ずっと暑いなんてね」
もう思うだけでだ。
「嫌になるよね」
「冬は多少暖かい方がいいけれどな」
「けれど雪降らないとスキー場も困るからな」
「六甲の方もな」
「冬も寒くないとな」
「せめて雪が降らないと」
「そうなんだよね、夏は適度に暑くて冬は適度に寒い」
僕は自分でもわかる位都合のいいことを言った。
「そうあって欲しいね」
「そうだよな」
「神戸の冬って寒いからな」
「京都よりはましでもな」
「京都の寒さってあれなんだよ」
その京都生まれのクラスメイト村瀬君が言ってきた。
「盆地だろ」
「それでだよな」
「また寒さが別だよな」
「寒気が盆地の中に篭って」
「それで格別に寒いんだよな」
「そうだよな」
「夏は逆に暑くてな」
村瀬君はその話もした、夏のそれも。
「それで冬は、でな。同じ京都府で盆地じゃないないけれど舞鶴もな」
「あそこだよな」
「寒いよな」
「雪多いんだろ」
「そう聞いてるぜ」
「よく積もるぜ」
村瀬君は京都市生まれだけれどそちらの話もした。
「実際な」
「あそこ雨も多くてか」
「冬は雪か」
「凄いところだな」
「そうだよ、だから自衛隊でも寒冷地手当つくそうだぜ」
関西にあってもだ。
「何でもな」
「そんなところか、舞鶴って」
「京都だけじゃないんだな」
「そうだよ、昔は違ったけれどな」
こうも話した村瀬君だった。
「舞鶴はな」
「それ江戸時代までだろ」
「京都は山城でな」
「舞鶴は若狭だったな」
「国が違ったな」
「ああ、けれど今はな」
明治以降の都道府県の区割りではだ、この区割りは明治の最初の頃は結構変わっていて堺県なんて県があったこともある。
「同じ京都府だろ」
「ああ、舞鶴もな」
「京都になるな」
「それで同じ京都としてか」
「考えてるんだな」
「あそこも関西だぜ」
そう言われてもどうもピンとこないのは事実だけれどだ。
「しっかりとな、それでな」
「あそこは雪が深いか」
「冬になったら」
「それで寒いんだな」
「寒冷地みたいに」
「そうなんだよ、北陸みたいにな」
北陸の福井県に近い、実際に。
「寒くて雪が多いんだよ」
「実際にそうか」
「それで自衛隊でも寒冷地手当つくんだな」
「北海道とか沖縄にいる時みたいに」
「そうなるんだな」
「そうみたいだぜ、それで冬になるとな」
まさにその季節になるとだ。
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