八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる
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第百六十七話 破傷風その七
「秋は弱いのかな」
「何とか勝てても」
今のところ何年か連続で優勝出来ている、けれど秋は確かに調子が落ちる。高校野球までの貯金で勝っている様なものだ。あと巨人に毎年二十勝以上していることも大きい。
「それじゃあね」
「気候よりも大事なことは」
「阪神にとってはね」
「呪いをどうするか」
「そう、魔物とね」
「ケンタッキーのおじさんだね」
「そう思うけれどね、私は」
今度は柿ピーを食べつつ言う詩織さんだった。
「あの状況見てたら」
「気候を頭に入れてたら」
香織さんも言ってきた。
「そりゃ後はね」
「呪いをどうするか」
「それが大事でしょ、勝負は運もあるし」
「その運が秋になったら」
勝負運、それがだ。
「阪神はね」
「急に悪くなってるわね」
「もう悪くなって」
それもかなりだ、極端なまでに。
「ここぞって時に負けてたんだよね」
「じゃあお祓いね」
「阪神に必要なのは」
「それもかなり強い呪いだから」
「それなり以上の人に払ってもらわないと」
「駄目だと思うわよ」
「じゃあ空海さんとか安倍晴明さんとか」
日本のそうした凄い力の持ち主の人達を思い出した、空海上人は法力も凄かったと聞いての言葉だ。
「そうした人達でもないとかな」
「お一人では無理よね」
「じゃあ何人もそうした人を呼んで」
僕はさらに考えて話した。
「それでだね」
「お祓いしてもらって」
そうしてというのだ。
「それからだと思うわよ」
「そうなるんだね」
「ちょっと有り得ないからね」
阪神の毎年の後半の状況はというのだ。
「見ていてね」
「まあね、しょっちゅうここぞって時に負けて」
「シリーズに出てもでしょ」
「ロッテとの勝負は忘れられないよ」
今だに伝説になっている、四試合で三試合連続で十点も取られて四試合の両チームの合計点がネットでしょっちゅうネタで出て来る位だ。
「三十三対四だってね」
「あれよね、何でや半身関係ないやろって」
「いつも言われるからね」
「惨敗の代名詞よね」
「阪神の方が言われるんだ」
勝ったロッテではなくてだ。
「いつもね」
「ああして負けるの見るとね」
「阪神はまずお祓いだね」
「甲子園全体をお塩で覆うとか?」
香織さんは飲みつつこう提案した。
「御神酒をかけるとか」
「甲子園全体に」
「そうしたらね」
「お祓い出来るんだね」
「そうなるんじゃないの?」
香織さんの口調は結構以上に真剣なものだった。
「流石にね」
「というかそこまでしないと駄目なんだ」
「だってどう見ても尋常じゃないから」
阪神の後半の勝負時での負けっぷり、それがだ。
「だからね」
「クライマックスで凄い負けてたしね」
詩織さんも言ってきた。
「一時期ソフトバンクがだったけれどね」
「うん、あそこも結構負けてたね」
「リーグ優勝三回それでフイになってたわよね」
「それ位なってたね」
「最近はずっと勝ってるけれど」
「けれど阪神は」
このチームの場合はというと。
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