夢幻水滸伝
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第六十四話 頼りになる後輩達その十四
「南洋も中南米もな、むしろな」
「相手の方が国力高いからか」
「それでや」
だからだというのだ。
「もっと強力なの出してくるかもな」
「そうしてくるか」
「そしてや」
それでというのだ。
「こっちにぶつかってくるで」
「そうしてか」
「勝とうとしてくるか」
「間違いなくな、そやけどな」
「こっちはその上をいってみせるか」
「国力の違いはもう頭に入ってるわ」
太平洋の覇権を争う諸勢力の中で日本が一番国力が低い、このことは芥川は常に頭の中に入れていた。
「それをどう補うか」
「その補いも切り札か」
「むしろ最大の切り札や」
芥川は笑った、そのうえで中里に答えた。
「相手も力関係はわかってる、それで攻めてくる」
「そこをやな」
「逆手に取ってや」
そしてというのだ。
「勝つで」
「そういうことやな」
「ああ、ほなその準備もな」
「進めてやな」
「勿論政もしていく」
このことはこれまで通りというのだ。
「それは止まらん」
「そしてやな」
「国力は高めていくで」
これからもというのだ、そしてだった。
芥川達は有島達とさらに話した、そしてここでだった。
時間になった、それでだった。
中里達は次の場所に行くのではなくまずは自分達の校舎に戻った、そこで中里は芥川にこんなことを言った。
「次は農業科と水産科か」
「そや」
「それは後でか」
「もうすぐ一限目はじまるからな」
「後は昼休みとかにか」
「回るか、しかしな」
「しかし?」
「ほんまうちは随分人材が集まったな」
芥川はここで笑って言った。
「有り難いわ」
「そやね、星の子の数では一番多いし」
綾乃が芥川の今の言葉に笑って応えた。
「そのことを考えたら」
「うちは有利や」
「そしてそれがやね」
「そこから先はまだ言わんことや」
芥川は綾乃に笑って返した。
「壁に耳ありっていうし」
「あえてやね」
「そうや、内緒にしてな」
「そのうえでやね」
「これからの決戦戦っていこうな」
「そういうことやね」
「しかしな」
ここでこう言った中里だった。
「ここからがほんま正念場やな」
「そや、日本統一も大変やったけどな」
「むしろやな」
「ここからや」
まさにとだ、芥川も言うのだった。
「大事や」
「まずは太平洋やな」
「そや、激戦必至でな」
「その激戦もやな」
「四つ続くからな」
「そう思うと勝ち残るのしんどいな」
「けど勝つ自信はある」
芥川は強い声で断言した。
「いや、確信してる」
「勝ち残るのはうちか」
「そや、並み居る諸勢力を倒す」
「そうするんやな」
「その為の手段は全部整えていってるからな」
「そやからやな」
「そや、大丈夫や」
こう言うのだった、そしてだった。
三人は今は自分達の教室に帰った、そうして授業を受けるのだった。
第六十四話 完
2018・5・1
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