夢幻水滸伝
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第六十四話 頼りになる後輩達その十三
「いいですね」
「そやな、ほんまに」
「それでやけどな」
芥川も三人に言ってきた。
「自分達ともこっちの世界でもな」
「仲良くですね」
「そうしていきたいけどな」
「あっし等でよければ」
有島は何処か侠客の様な物腰で芥川に応えた。
「そうさせて頂きやす」
「そういうことで頼むで」
「へい」
返事も侠客を思わせる感じだった。
「こちらこそ」
「そういうことでな」
「あっしはあまり政は出来やせんが」
「そう言ってるけれど結構出来てるやんか」
房江はその有島に笑って言った。
「政の方も」
「そうだといいんだけれどな」
「特に力仕事関係がね」
「わしもそう思うわ」
若山もこう有島に言った。
「自分は政もそこそこ出来てるわ」
「そうか」
「あまり自分の得手不得手を決めつけんことや」
それがいいというのだ。
「ほんまにな」
「そんなものか」
「ああ、自分はそこをはっきりさせ過ぎや」
「何でもはっきりしてるのはあんたのええとこやけどな」
房江もまた有島に言った。
「不得意と思ってるもんでもな」
「向かうべきか」
「そや、自分ほんまに出来るから」
「まあ玲子ちゃんは全然やけどな」
芥川は有島の話を聞いて述べた。
「政関係は」
「あの先輩は政は」
「そもそも一切興味ないし関わろうともせんわ」
芥川は房江に話した。
「あの娘はまた別や」
「政については」
「あの子は政は絶対にな」
それこそというのだ。
「関わらんしそもそも資質がないわ」
「だからですか」
「まああの娘はあれでええ」
「政には関わらないってことで」
「別にな」
もうそこは割り切っているというのだ。
「ええわ」
「そうですか」
「それでや、自分達はや」
芥川は三人にあらためて言った。
「これから宜しゅう頼むで」
「はい、戦でも政でも」
「ああ、それでな」
有島に対して強い声でさらに話した。
「太平洋の覇者になるで」
「まずはですか」
「そや、その為の切り札も用意しているしな」
「切り札もですか」
「そや」
それもというのだ。
「仕込んでるわ」
「そうですか、では」
「まあ相手も同じ様なもの仕込んでるかもな」
対する諸勢力もというのだ。
「こっちが考えることは相手も考えてるわ」
「切り札みたいなもんもか」
「そや」
芥川は中里にも答えた。
「それもな」
「アメリカとか中国も考えてるか」
「そして出してくるわ」
その切り札をというのだ。
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